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2026年07月10日07:26

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砂原浩太『星月夜』(文藝春秋)を読みました

砂原浩太『星月夜』(文藝春秋)を読みました。
著者は、時代小説作家であり、本書は藩邸差配役日日控シリーズの2作目となります。私は当然ながらシリーズ第1作の『藩邸差配役日日控』も読んでいます。
小説の舞台は江戸であり、主人公の里村五郎兵衛は神宮寺藩江戸藩邸の差配役を務めています。藩邸内のさまざまなことを差配するわけで、今でいえば総務部総務課長といった役どころです。基本、上屋敷が舞台となります。加賀前田藩の上屋敷が今の東京大学本郷キャンパスですから、大雑把に上野や湯島から少し西の高台に上ったあたりが本書の地理的な舞台です。
本書は、藩主である和泉守正親が国もとに帰る参勤の行列を見送るところから始まり、連作短編6話から編まれています。順にあらすじは、まず、「波と波」では江戸藩邸家老大久保重右衛門の側近である波岡喜四郎が、藩邸御用絵師の菅波景賀の後をつけているのはなぜか、を里村五郎兵衛が推理し解決ます。続いて、「揺れる槌」では、藩邸奥の縁側の普請で出入りの源蔵親方の仕事の跡目について、里村五郎兵衛が相談を受けます。続いて、「梔子日和」では、里村五郎兵衛の次女の澪から小太刀を教わっている奥女中で、太物問屋から藩邸に上がっている玉の悩みを解決しようと腐心します。
続いて、「碌々亭日乗」では、差配方下役の若い安西主税が、すでに差配方を引退した父の挙動について里村五郎兵衛に相談します。続いて、「小心者」では、御納戸頭で小心者の窪田吾兵衛に対して不審を匂わせる投げ文があり、波岡喜四郎が里村五郎兵衛を助けて調べに当たります。続いて、最後に、表題作の「星月夜」では、里村五郎兵衛の長女の七緒の嫁ぎ先で、御納戸方を務めていた河瀬新之丞が賄賂の疑いをかけられて自裁したものの、後に真犯人が発見され事件が解決した後の河瀬家で河瀬新之丞の控え=日記から、里村五郎兵衛が賄賂事案の真相に迫ります。
最後に読む順番についてご注意です。私は少し前にマクファーデン女史の「ハウスメイド」のシリーズを第2巻を先に読んで、シリーズ第1作にさかのぼって読みましたが、何の問題もありませんでした。でも、この藩邸差配役日日控シリーズは出版された順番通りに読む必要があります。というのは、このシリーズ第2作『星月夜』の冒頭で、シリーズ第1作の重要な、きわめて重要なネタバレが明らかにされているからです。ものすごく要注意です。

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