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2026年06月27日07:35

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クリストフェル・カールソン『暗殺の冬』(文春文庫)を読みました

クリストフェル・カールソン『暗殺の冬』(文春文庫)を読みました。
著者は、スウェーデン人のミステリ作家です。私が知る限りで、スウェーデンのミステリ作品といえばスティーグ・ラーソンの「ミレニアム三部作」があります。また、このミレニアムのシリーズはラーゲルクランツにより第6巻まで書き継がれて完結しています。ラーソン作品の前3巻も、ラーゲルクランツ作品の後3巻も、私は大いに高く評価していますので、この『暗殺も冬』も読んでみた次第です。
本書のスウェーデン語の原題は Brinn Mig en Sol であり、英語に直訳すれば Burn Me a Sun となります。2021年の出版です。ただ、知っている人は知っていると思いますが、スウェーデンで「暗殺の冬」といえば、1986年2月のパルメ首相の暗殺が連想されます。おそらく、1963年11月の米国ケネディ大統領の暗殺に次いで有名な暗殺事件ではないか、とすら私は考えています。そのパルメ首相暗殺は、当然、実際にあった事実ですから、本書でも言及されています。
本書は3部構成であり、第1部では作家の「私」がスウェーデン南西部のハッランド県の故郷に戻り、元警察官のエヴィ・カーレンとの会話をきっかけとして、ともに警官であったスヴェン・ヨルゲンソンとその息子ヴィダル・ヨルゲンソンの父子に関心を寄せる場面から始まります。時代は2019年です。父スヴェン・ヨルゲンソンはかつて「ティアルプの怪物」と呼ばれる連続殺人事件の捜査に当たった警官であり、2019年の時点ですでに死亡しています。ややメタな構造で、「私」はこれを小説にしようと構想します。
第2部がメインパートとなり、1986年に時代が戻ります。その年の2月28日にパルメ首相が路上で射殺される暗殺事件が起き、その翌日の3月1日未明に若い女性が暴行を受け、病院に搬送される途中に亡くなるという事件が起こります。その犯人は警察に電話で事件を通報しており、「ティアルプの怪物」と呼ばれます。父スヴェン・ヨルゲンソンは警察官として、この事件へ深く関わっていくようになります。
しかし、この事件はパルメ首相暗殺事件の余波も加わって、十分な捜査がなされず、第2、第3の連続殺人事件へと発展してしまいます。刑事として父スヴェン・ヨルゲンソンはこの「ティアルプの怪物」を追い続け、息子ヴィダル・ヨルゲンソンがこれを引き継ぎます。そして、現在の2019年になって、驚くべき真相とともに事件が解決されるわけです。
重厚なミステリです。そもそも、父子2代に渡る警察官としての捜査が重厚といえますから、ミステリ作品としても重厚です。ただ、ミレニアムのシリーズからはやや落ちます。出版社のサイトにある「10年に1度の傑作」はやや誇張かと受け取る読者は、私だけではないと思います。

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