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2026年05月30日08:11

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加山竜司『「推し」という病』(文春新書)を読みました

加山竜司『「推し」という病』(文春新書)を読みました。
著者は、漫画ジャーナリスト、ライター、編集者と紹介されています。
本書では、インタビューなどに基づいて7章に渡って、アイドル、ホスト、アニメ、VTuber、AV女優アイドル、地下アイドルなどに対するファン、というか、本書でいうところのオタクの熱狂ぶりを収録するとともに、最後の第8章で全体を総括しています。
世間的に「推し活」という言葉が流行し、また、宇佐見りんの『推し、燃ゆ』が芥川賞を受賞し、中には、時代は「萌え」から「推し」だと言わんばかりの本も私は読んだりしましたが、だんだんとファンの行動が激しくなっていくのを感じます。『推し、燃ゆ』で私が印象的だったのは「推しは命にかかわる」といった趣旨でしたが、まさに、それに近くなってきている危険性を感じます。
私自身を振り返ると、いわゆる全共闘世代と重なる「白け世代」の影響を受けているのかどうか、それほど物事に熱中する方ではありません。したがって、本書で取り上げているような危険なまでの熱中ぶりで表現されている推しとは無関係だと思います。今の立命館大学か、現役公務員だったころに出向した長崎大学だったか、すっかり忘れましたが、最初の授業で「先生への10の質問」を受けて、「ハマっていること」の質問に対して、「何かにハマる性格ではない」と回答したことを覚えています。
ただ1点だけ強く指摘しておきたいのは、p.279から展開されている推しの宗教性です。従来から、私は新興宗教と反社会的団体の共通点があって、それは強い金銭への執着だと感じています。有り体に言うと「すべてはカネ」ということです。そして、本書を読んで、同じように「推し」も金次第と結論せざるを得ないと感じています。さらに、近い将来に大阪あたりにIRができれば、ギャンブルも私の頭の中では仲間入りしそうな気がします。これは、究極的には、すべての生産物が商品として市場に供給され、価格をつけられてその価格にしたがって配分されるという意味での資本主義経済の大きな特徴のひとつである、と考えるべきです。
もっとも、本書の用語を借りて表現すれば、推しという病にかかっていない人も決して少なくない、というか、むしろ大多数の国民は推しの病にかかっていないわけですので、個人レベルで対応すべき部分が少なくないのも事実だろうと私は考えています。
さらに進めて、脱商品化、コモンの拡大の方向を目指すべきであることはいうまでもありません。最後の最後に、どうでもいいことながら、表紙画像の帯の女性は高橋七瀬だと聞き及んでいます。

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