林真理子『マリコ、アニバーサリー』(文春文庫)を読みました。
著者は、エッセイスト、直木賞作家であるとともに、日本大学の理事長職も務めています。
本書は、「週刊文春」に連載されているコラムを取りまとめて、単行本として2024年に出版され、そして、今年2026年に文庫本として出版されています。
タイトルに見られるように、何でも、コラムの連載開始40年で著者も古希を迎えたダブルアニバーサリーだそうです。なお、大雑把に2023年の「週刊文春」に収録されたコラムですが、2023年5月からの感染法上の分類変更がなされたコロナについては、それほど注目されていない印象でした。
著者は、そもそも、文句なしにセレブでしょうし、年齢的にも自慢話が多くなるお年ごろなのだと思いますが、決して嫌味にならない上品なトピックでエッセイを盛り上げています。
ですので、私なんぞがうかがいしれないセレブの世界を気軽に垣間見ることが出来ます。例えば、会食には手土産を持っていることが習慣になりつつある、なんてのは、気の置けない仲間との飲み会くらいしか参加しない田舎教師には初めてのお話でした。最後の方の「謦咳に接する」というタイトルのエッセイでは、私くらいの年配者から見ても神様クラスの作家がズラリと登場します。こういった神様クラスの作家の「謦咳」に本書のご著者は接しているんだ、と実感させられました。
また、「週刊文春」収録のコラムといいつつ、「週間朝日」や「AERA」や「週刊新潮」やといった同業他誌に堂々と言及しているのも、いいのか、という気がしましたが、私も立命館大学に勤務してお給料をもらいつつ、同業他大学の同志社大学や龍谷大学などにもいっぱい話題にしているので、まあこんなものか、と受け止めています。
巻末に収録されているコラム外の皇室モノについては、私はこのご著者の『李王家の縁談』は読んだものの、ちょっと嫌味ではないか、と感じる読者がいそうな一方で、逆に、心から感激する読者もいそうな気がします。
いずれにせよ、週刊誌コラムを取りまとめていますので、ちょっとしたスキマ時間のお供に最適です。
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