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2026年05月16日07:41

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貴戸湊太『有能助手は名探偵を操る』(ハーパーBOOKS+)を読みました

貴戸湊太『有能助手は名探偵を操る』(ハーパーBOOKS+)を読みました。
著者は、ミステリ作家です。私は、本書の著者の作品の中では、『その塾講師、正体不明』や『図書館に火をつけたら』といったミステリを読んでいます。
タイトルから軽く想像されるように、探偵がへっぽこで、実は有能な探偵助手が謎解きをしている、というパターンです。それほどめずらしいものではなく、いくつかあると思います。本書は、そういった探偵と助手の逆転をコミカルに描き出すとともに、それでも、コミカルに終わるだけではなく、しっかりと本格的な謎解きが展開されているところが魅力です。
実はへっぽこながら、ビジュアルがよい名探偵が志谷禄郎、ウラで謎解きをしているのが助手の和戸村丈となります。標準的なボリュームの中で5年前の過去編と現在編に別れ、さらに、オマケでもないでしょうが、名探偵と助手の2人の出会いの大学時代編もあったりします。
プロローグの事件で軽く名探偵と助手が登場した後、本編の現在編に入り、都内のバーでアルコール度数の高い酒をかけられて焼死させられるという事件が発生し、名探偵の叔父の警視副総監である福田宗寛から呼出しを受けて名探偵と助手が事件現場に臨みます。現在のこの事件が、5年前の菜の花山荘の事件と深く関係していることから過去編に飛び、5年前の事件の真相が謎解きされます。
そして、現在に戻って、冒頭の事件の謎解きが展開され、最後に、名探偵と助手の出会いの大学時代を振り返ることになります。ミステリですので、詳細は読んでみてのお楽しみです。
私自身の推理の謎解きのレベルは、本書のへっぽこ名探偵である志谷禄郎並みかそれ以下ですので、有能助手の和戸村丈が名探偵の志谷禄郎に出すヒントがとても有り難くて、その意味でスラスラと読み進めます。失礼ながら、そういったレベルの読者にも楽しめるミステリに仕上がっています。
また、ついでながら、有能助手の和戸村丈は、謎解きに実際に取り組む探偵として有能なだけではなく、キチンと解決への伏線を文中にバラまいておく記述者のワトソン役としても有能だと私は感じました。ただ、そのヒントも含めて、推理のまっ最中に、へっぽこ名探偵と有能助手の両者の間のやり取りが冗長だと感じる読者もいるかもしれません。

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