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2026年05月13日08:08

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ブリアン・クリスナ『どうせ死ぬなら、最後にミーアヤム』(春秋社)を読みました

ブリアン・クリスナ『どうせ死ぬなら、最後にミーアヤム』(春秋社)を読みました。
著者は、インドネシアの作家です。たぶん、本書が本邦初訳ではないかと思います。
インドネシア語の原題は Seporsi Mie Ayam Sebelum Mati であり、2025年の出版です。私は家族とともに3年間ジャカルタで暮らしていた経験がありますが、インドネシア語はほぼほぼ理解できません。
主人公はジャカルタのダウンタウンにあるスディルマン地区のオフィスに勤める男性のアレです。巨漢で色黒、見た目が悪い上に、体臭もきついらしく、お付き合いしていた女性からも振られて独身です。オフィスの同僚などからは、からかい、ないし、いじめの対象になっています。こうしたことから、37歳の誕生日に、24時間後に自殺することを決意します。
これがタイトルなのですが、死ぬ前にいつも行きつけの屋台のミーアヤムを食べることにします。で、翌朝、その屋台を訪れると、何と、屋台の店主が亡くなっていて、アレは店主の自宅での葬式に出席し、棺を持つうちの1人になったりします。
そうこうするうちに、身に覚えのない冤罪で留置所に入れられ、ギャングのボスと知り合って気に入られてしまいます。冤罪はすぐに晴れて留置所から出ますが、同時に出所したギャングのボスの手下になって働く羽目になります。それから、いろいろあって、ラストはハッピーエンドで終わりますが、そのあたりの詳細は読んでみてのお楽しみです。
最後に、本書の舞台であるインドネシアの首都のジャカルタ生活3年の経験者として、ひとくさり書きとめておきます。まず第1に、本書ではイスラム教的な要素はほとんど見られません。お祈りの時刻を知らせるアザーンが聞こえる、といった下りはいくつか見ました。まあ、日本の小説でも神道や仏教の宗教的な要素はほぼほぼ含まれませんので、そういったものか、という気はします。
第2に、ミーアヤムとは、本書を読めば判りますが、鶏肉のヤキソバです。「ミー」は、たぶん、現地では「ミエ」と発音されるような気もしますが、麺を指します。アヤムが鶏肉です。なお、コメはナシですから、ナシアヤムというのもあるんだろうと思います。ナシゴレンは焼き飯です。ただ、日本人的な感覚では、ミーアヤムを朝食に食べるというのは少し違和感があります。現地の人だけかもしれません、
第3に、移動手段にも注目です。主人公はオフィス勤務ですから、それなりのお給料を取っていてバイクも買えるようですが、平均的なジャカルタ市民は、少なくとも私が住んでいた20年余り前には、バイクには手が届かなかったような気がします。20年以上経過していますので所得も向上していることと想像しています。また、本書では1箇所だけ「三輪タクシー」として登場していますが、バイクの後ろにオレンジ色のホロを被せた席を設けているバジャイ bajaj という交通手段が20年余り前にはいっぱいありました。これも時代の経過とともに少なくなっている可能性があります。
最後に第4に、やたらと喫煙シーンが登場します。主人公もタバコを吸います。これは、20年前から所得が向上したとはいえ、まだ、喫煙習慣は大いに残っている、ということなのかもしれません。

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