mixiユーザー(id:68108846)

2026年04月18日08:00

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Changing regional university availability and inequality of educational opportunity in Japan

本ではなく学術論文ですが、大学の偏在が都道府県別に見た大学進学率の格差をもたらす、という結論を得た "Changing regional university availability and inequality of educational opportunity in Japan" と題する論文を読みました。
軽く想像される通り、大学が近くにあれば大学進学率は容易になるわけで、あるいは、逆に、大学進学率が高ければ大学の誘致が進んだりして大学の方でも近くに立地するメリットがあります。ですから、大学が近くにあるという点と大学進学率は相関しています。
日本ではおそらく、ここ100年ほどの期間で、大学進学率はほぼほぼ常に東京都がトップで京都府が2番目、しかも、この2都府が他の県よりも飛び抜けて高い進学率となっている、という経験的事実があります。論文の Figure 1 University enrolment rate (per cent) by prefecture in 1970, 1990, and 2010 で示しています。当然ながら、東京を中心とする首都圏と京阪神、特に京都を中心とする関西圏に高い大学進学率の県が集中しています。続いて、論文では、都道府県内および隣接県の大学の立地を、同じく都道府県別のヒートマップで示した Figure 2 Availability of local and neighbouring universities by prefecture, selected years を示しています。
大学進学率 enrollement に対して、これらの大学の利用可能性 availability を説明変数として二方向の固定効果ロジットモデル two-way fixed effect logit models で推計しています。まず、居住都道府県および通学可能な近隣都道府県における大学利用可能性が上昇すると、大学進学確率が高まることが数量分析の結果として明らかにされています。ただ、本論文の数量分析で確認されたのは因果関係ではなく相関関係です。加えて、もちろん、効果はそれほど単純ではなく、例えば、親学歴について見ると、親が高学歴である子どもほど、大学進学確率がより大きく上昇することとの結果を得ています。すなわち、義務教育相当 Lower secondary < 高校卒相当 Upper secondary < 高等教育相当卒 Tertiary の順で大学進学率上昇効果が大きくなっています。
繰返しになりますが、この論文で計測しているのは因果関係ではありません。大学の利用可能制が高まったから大学進学率が上昇した、という因果関係を計測しているわけではなく、逆の因果、すなわち、大学進学率が高まった地域に大学が移転、ないし、大学定員の増加などがあった可能性も十分ありえます。ただ、私のようなエコノミストの目から見れば、大学進学率を高めて、同時に、大学の利用可能性も高めて、日本人の生産性を向上させることはきわめて重要な課題であり、両方をともに進める必要があると考えています。

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