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2026年04月07日08:07

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藤原辰史『食権力の現代史』(人文書院)を読みました

藤原辰史『食権力の現代史』(人文書院)を読みました。
著者は、京都大学人文科学研究所の教授であり、ご専門は農と食の現代史だそうです。
タイトルにある「食権力」は著者の造語であると、何かで読んだ記憶があります。意味は、何らかに方法により意図的に食料の供給をコントロールし、飢餓を戦争の武器にしている、という意味だと思います。本書における食権力=food powerの正確な定義はp.28で与えられています。「食糧や食料生産に必須のものを一局に集中し、それらを根拠に人間や自然を統治したり、管理したりする諸力の束」ということになります。はい、明らかに、イスラエルがガザで行っている行為であると考えるべきです。
本書では、そういった食権力を戦争で行使することは国連決議2417号違反であると指摘しています。ただし、これも本書で指摘されているように、飢餓という状態は意図的に引き起こされたものであるか、それとも、自然現象として発生したものであるかの境界が曖昧ですので、戦争当事国やグループのパワー次第では、国連決議違反であるかどうかの判断も難しくなります。
本書はタイトル通りに、その食権力の現代史ですので、大雑把に20世紀以降現在までの歴史をひも解こうと試みています。その中で、いわゆる穀物メジャーの成立、ユダヤ人などに対するナチスの飢餓政策、あるいは、ベトナム戦争における米国の枯葉剤の使用、などが取り上げられています。
詳細は読んでいただくしかありませんが、私の方から3点だけ指摘しておきたいと思います。第1に、日本は食料自給率がきわめて低い国だという点は忘れるべきではありません。カロリーベースで40%を下回っています。先進国の中でも突出して食料自給率が低いのは明らかです。ですので、第2に、日本は戦争をしてはならないのは明らかです。食料とともにエネルギーの自給もほぼ出来ないわけですので、戦争をすれば多くの国民が苦しめられ、死ぬ場合も少なくないと考えるべきです。
第3に、私は大学の授業なんかで学生諸君などに、個人として解決すべきレベルの問題と政府、地方政府あるいは中央政府のレベルで解決すべき問題を考えるべき、とお話しており、この食料の問題はエネルギーとともに政府で解決すべき問題と私は考えています。このところ、コメの価格が大きく上昇していますが、国民とほぼほぼ一致する消費者のレベルで節約や代替品の探求などの解決には限界があります。食料問題を考える際に政府の役割も同時に考えるべきです。

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