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2026年03月01日07:48

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今さらながら、村田紗耶香『コンビニ人間』(文藝春秋)を読みました

今さらながら、村田紗耶香『コンビニ人間』(文藝春秋)を読みました。
すでに、文庫版が出ていると思うのですが、私が図書館で借りたのは単行本の方で、上の表紙画像の通りです。
著者は、小説家であり、本書は、いわずと知れた第155回芥川賞受賞作です。
主人公は古倉恵子、大学入学直後の1998年5月に駅前のオフィス街でスマイルマートなるコンビニが開店する際のアルバイト募集に応募して採用され、大学卒業後もアルバイトを続けて18年、30代半ばの独身女性です。
妹はすでに結婚して子供もいますし、同級生にはバリキャリ風の女性もいれば、子持ちの専業主婦もいますが、主人公は体が弱いとかいいつつ、就職も結婚もせずに30代半ばまでコンビニでのアルバイトを続けています。
しかし、コンビニのアルバイトの後輩に当たる白羽という男性と知り合って、白羽が恵子の住むアパートで同居するに至って、ある意味で安定していたそれまでの生活から乖離を生じ始めます。
はい、よくいわれるように、「普通とは何か」を考えさせられる小説なのですが、私のようなエコノミストの目から見て、社会的な分業体制の中で占めるべきポジションを占めて、社会経済活動に参加してお給料をもらっているのであれば、普通かどうかはともかく、立派な社会人、ということになります。労働を通じた社会参加は、経済社会のサイドからも、もちろん、労働するご本人のサイドからも、とても意味のある活動です。単にお給料を得るというだけでなく、個人的な自尊心の維持向上にも役立ちます。その点で、白羽という人物は、労働を通じた社会参加に失敗している、ということになります。
ですから、本書について私が魅力的に感じたのは、こういったストーリだけでなく、文章を通じた表現力、あるいは、文体などです。感情表現やストーリーのテンポのよさなどに私は引かれました。ただ、会話は少しモッチャリしたところがあります。その点で、川上未映子『乳と卵』の姉妹の関西ことばにいよる会話のようには行かないのだろう、という気がします。

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