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2026年02月23日07:36

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森バジル『探偵小石は恋しない』(小学館)を読みました。

森バジル『探偵小石は恋しない』(小学館)を読みました。
著者は、もちろん、小説家なのですが、前作の『ノウイットオール』が松本清張賞を受賞してデビューしています。私はこの前作は読んでいます。
本書は、福岡に拠点を置く探偵事務所を舞台に、代表兼調査員の小石27歳、相談員兼調査員の蓮杖2-3年年下を中心にストーリーが進みます。探偵事務所にはアルバイトの雛未という大学院生もいますが、個人情報には接しませんし調査もしません。
小石は殺人事件とか、警察でも手を焼くような難事件の推理をしたいのですが、依頼される案件はほぼほぼ素行調査、というか、浮気の調査ばかりです。小石は特殊技能として、誰から誰に対して恋情の矢が延びているかが見えたりします。したがって、浮気をはじめとする素行調査にはうってつけで、事実、やる気がないにもかかわらず、かなり成績はよかったりします。
高校生ながら、1000億企業の創業者の娘が、親も許した結婚を前提に付き合っている恋人の浮気調査、事実婚の男性が妻の浮気を疑って事実調査、アイドルと結婚した男性が脅迫状を受け取って、ボディガード兼犯人解明、などですが、主人公の小石の高校のころの事件も振り返って語られます。それらの謎解きも興味深いところですが、ラストにドカンと大きな謎が待ち構えています。もちろん、小石が謎を解き明かします。
最後に、本書はミステリであることは確かですが、謎や事件がどうこうというよりも、目いっぱい読者をミスリードすることに主眼が置かれているような気もします。その意味で、本格ミステリかということになると、疑問を持つ読者がいそうな気もします。私自身は、かなり本格性の高いミステリだと思いますが、ノックスの十戒やヴァン・ダインの20則には則っていたとしても、その当時の想定外の点もあるため、本格ではないと考える読者がいても不思議ではありません。
ただ、本格ミステリとはいえ、というか、本格ミステリであるがゆえに、とても不自然で作為的なストーリーで、通常ではありえない設定です。「事実は小説よりも奇なり」という言葉がありますが、本書は常識的な事実からはかなりかけ離れていて、よく考えたものだと私は感心していますが、否定的に評価する読者がいておかしくありませんし、その意味で、評価が分かれる可能性は大いにあると思います。


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