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2026年01月18日08:39

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大山誠一郎『赤い博物館』と『記憶の中の誘拐』(文春文庫)を読みました。

大山誠一郎『赤い博物館』と『記憶の中の誘拐』(文春文庫)を読みました。
著者は、ミステリ作家であり、京都大学ミステリ研究会のご出身です。今まで私はまとまった本としては、この著者の作品を読んだことがありませんでしたので、ほぼ初読の作家さんといえます。ただ、短編ミステリの名手ですので、どこかのアンソロジーで短編作品を読んでいるのではないかという気がします。本書は「赤い博物館」シリーズの第1巻と第2巻であり、最新第3巻『死の絆』はすでにレビューして、SNSなどでシェアしています。
おさらいですが、「赤い博物館」シリーズは、三鷹にある警視庁付属犯罪資料館「赤い博物館」を舞台に、館長である緋色冴子警視と助手の寺田聡の2人が、すでに時効となった事件などの古い犯罪について、ほぼほぼ勝手に再捜査して真実を突き止める、というシリーズです。TBS系列でTVドラマ化されていて、松下由樹と山崎裕太が主演していたそうですが、私はTVドラマの方は見ていません。
館長の緋色冴子はキャリアの警察官で警視ながら、コミュニケーション能力に問題があって無愛想で、閑職に追いやられています。表情にも乏しいので、本書では時折「雪女」と表現されていたりします。助手の寺田聡は警視庁捜査1課の敏腕刑事だったのですが、捜査資料を現場に置き忘れるという大失態があって、これまた、閑職に追いやられています。資料館には、推理には無関係なから、清掃員の中川貴美子と守衛の大塚慶次郎も勤務しています。
シリーズはすべて短編ミステリであり、第1巻の『赤い博物館』では、緋色冴子はまったく館外には出かけず、寺田聡に捜査を任せっきりにして安楽椅子探偵の役割を務めています。逆に、第2巻の『記憶の中の誘拐』では、緋色冴子は必ず資料館の外部に出かけていって、寺田聡とともに捜査活動をしています。そして、このあたりが作者のシリーズの進め方の上手なところなのですが、第3巻『死の絆』では、とうとう公式・非公式に警視庁捜査1課から再捜査の依頼を受ける事件も出始めています。
簡単にあらすじを追うと、まず、『赤い博物館』で「パンの身代金」は、グリコ・森永事件を連想させるパン会社の社長誘拐殺害事件です。続いて、「復讐日記」は、女性がマンションのベランダから突き落とされるのを目撃した元恋人の事件です。「死が共犯者を分かつまで」は、交通事故でなくなる直前に、自分は交換殺人をしたといい残した男の事件です。続いて、「炎」は、幼いころに火事で両親と叔母を亡くした女性カメラマンの放火事件です。「死に至る問い」では、26年前の事件と同じ状況の殺人事件が起こります。
続いて、『記憶の中の誘拐』では、まず、「夕暮れの屋上で」は、23年前の卒業の日に、高校2年生の女子生徒が校舎の屋上で亡くなります。続いて、「連火」では、玄関だけは灯油をまかず、家の周囲に灯油をまく連続放火犯の謎です。続いて、「死を十で割る」は、関節部分だけが切断されたバラバラ殺人事件です。続いて、「孤独な容疑者」は、24年前に自宅マンションで多数の同僚に金貸しをしていた男が撲殺されます。続いて、「記憶の中の誘拐」は、自動車に乗れないトラウマを持つ寺田の友人に起きた26年前の誘拐事件のと殺人事件の真相に迫ります。

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