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2026年01月05日09:18

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小峰隆夫・村田啓子『最新 日本経済入門[第7版]』(日本評論社)を読みました。

小峰隆夫・村田啓子『最新 日本経済入門[第7版]』(日本評論社)を読みました。
著者はそれぞれ、大正大学地域構想研究所客員教授と立正大学大学院経済学研究科教授です。現職はそういうこということなのですが、お2人とも内閣府の官庁エコノミストのご出身で、当然に、私とは面識があります。
本書は第7版ということで、前回の第6版が2020年3月の出版でしたから、コロナの緊急事態宣言の直前ということで、5年余りを経過して、それなりの変更あったことと思います。15章構成で、いかにも、大学の年半期の授業を意識しているのですが、それ以外にも日本経済について勉強したい幅広い読者に有益であろうと私は考えます。ただ、大学に入学したばかりの1年生には少し骨かもしれません。
私の勤務する立命館大学経済学部でも、私が日本経済論を教えていたころは、大学2年生からの配当となっていました。本書も、ミクロ経済学やマクロ経済学などの基礎を1年生で勉強してから取り組む、といった感じかもしれません。
15年前の長崎大学から今の立命館大学でも、私が授業で教科書として使っている有斐閣の『新 入門・日本経済』では、長らく続いたデフレの影響からか、物価やインフレ・デフレについて章立てしていませんが、本書ではキチンと章立てしていて物価安定の重要性や需給ギャップについても取り上げています。他方で、本書では労働や企業部門の活動がややもの足りません。すなわち、高度成長期に形成された長期雇用・年功賃金と日本的経営が、バブル崩壊を経て、グローバル化の中でどのように変化していったのかが、もう少し何とかならないものかという気がします。日本的特徴と欧米の比較も一案かもしれません。いずれにせよ、いかにも官庁エコノミストご出身らしいともいえますが、その点で私の不満がややあって、今後も有斐閣の教科書を使うような気がします。
本書では高度成長の終焉については、1970年代の2度に及ぶ石油危機だけが原因ではないとしていて、私の見方に一致します。私の見解は役所にいたころの共著論文で「日本の実質経済成長率は、なぜ1970年代に屈折したのか」にある通りです。
ただ、日本の戦後の経済史を極めて大雑把に振り返ると、1945年の終戦から超インフレ期も含めて10年ほどの戦後混乱期、1950年代なかばから1960年代を通じての高度成長期、1970年代の石油危機によるインフレやニクソン・ショックによる固定為替制の終焉、さらに、1980年代、特に、その後半のバブル経済期、1990年代初頭のバブル崩壊から始まる長い停滞期、特に、1990年代末からのデフレ期、と進むと、1970年代の石油危機やニクソン・ショックによる高度成長の終了、というのは、判りやすいといえば判りやすく、学術的な正確性よりも授業における学生の納得感という意味では捨てがたいことも事実です。
まあ、「間違ったことを教えているのか」と問われれば反省すべき点はあるかもしれませんが、50年を経た今となってはそう重要でもない気もします。

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