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2025年12月17日08:34

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宮田庸一・阿部俊弘『実践のための統計学』(アイ・ケイ コーポレーション)を読みました。

宮田庸一・阿部俊弘『実践のための統計学』(アイ・ケイ コーポレーション)を読みました。
著者は、高崎経済大学経済学部の准教授と法政大学経済学部の教授です。どちらも経済系の研究者と考えてよさそうです。
章別に、1変数=ユニバリエイト、2変数=バイバリエイト、単回帰、重回帰、と順を追って解説が加えられた後、本格的に確率や統計の方に展開し、確率分布、標本分布、統計的推計、仮説検定などと統計学の学習を進めます。
基本的には、経済系のデータを分析するのに必要かつ十分な内容であり、ほかにも心理学、社会学、医学薬学なんかにも役立ちそうです。ただ、あくまで統計学であって、計量経済学とは違います。ですから、私なんかが決定的に不足していると考えるのは時系列データの分析です。
おそらく、マクロ経済学だけだという気はしますが、経済データは多くの場合、時系列で並んでいます。GDPは四半期で分析したり、年データとして扱ったり、失業率や物価指数は毎月発表される、といった具合です。年々や月々の変動を問題にするわけで、その変動は、GDPだと成長率、物価指数だとインフレ率、などと呼ばれるわけです。失業率が上昇するか、低下するかで、内閣支持率も上がったり下がったりする可能性があるわけです。そのあたりの、マクロ経済データを時系列として扱う分には少し不満が残ります。
でも、統計学のテキストとしては、繰り返しになりますが、必要にして十分な内容となっていると感じました。ただし、私大文系の学生にはややもすれば欠ける要素として、高校レベルの数学的な素養が必要です。すなわち、数式は詳細に展開されており、実際の数値例も豊富に収録しています。微積分や三角関数、ましてや、虚数なんてのは出てきませんが、繰返しになりますが、高校レベルの数学力は必要です。しかも、これも繰返しになりますが、私の経験では、この「高校レベルの数学力」を十分身につけている経済学部生は決して多くありません。

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