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2025年12月15日09:00

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似鳥鶏『みんなで決めた真実』(講談社)を読みました。

似鳥鶏『みんなで決めた真実』(講談社)を読みました。
著者は、ミステリ作家であり、2006年に『理由あって冬に出る』で第16回鮎川哲也賞に佳作入選してデビューしています。アンソロジーに収録されている短編を別にすれば、単行本や文庫本としては初読の作家さんかもしれません。
本書はミステリであり、最後は謎解きや事件真相の解明となりますが、舞台は近未来の日本であり、刑事事件、特に殺人事件については情報公開が進んで、いわばエンタメ化してテレビ放送として裁判が実況中継され、その裁判では名探偵が登場してテレビ局のシナリオに沿ってトリックを暴いて謎解きを披露する、というCase Documentar=CDが一般化しています。
ですので、犯人は適当にしつらえられて役割が割り振られ、無実であるにもかかわらず有罪を宣告されたりしてしまいます。しかし、そこはエンタメ化しているため、執行猶予のついた判決を得て、逆に、犯人としての立場からCDの放送でコメンテータを務めたり、本を出版したりするようになっています。
前置きが長くなりましたが、本書の主人公は法学部に通う大学生の貞末悠人であり、主人公がたびたび訪れる介護施設に入居している芳川昭は、すでに引退していますが、血縁でもない主人公から「じっちゃん」と呼ばれて慕われており、かつての名探偵で現在のCDで名探偵が披露する謎解きの間違いを指摘します。
同じ施設の老女の孫がJAXAの宇宙飛行士を目指して2次選考まで通過していながら、CDで犯人にされてしまいます。この裁判でじっちゃんの芳川昭が真実を解明して、しかも、徹底的にCDエンタメを根底から成り立たないような活躍をします。

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