訃報・山本弘 作家にして論客

SF作家・山本弘さん死去 代表作は「ラプラスの魔」「アイの物語」など
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山本弘さんが亡くなった。TRPGの業績で認知している人が多いようだ。私は様々なオタク種目を創世記から経験してきたが、テーブルトークだけは馴染めず、この方面にはコメントできない。

私にとっては日本を代表するハードSF作家である。
「地球移動作戦」「アイの物語」「 UFOは来なかった」「MM9」などに夢中になったものだ。「詩羽のいる町」「ビブリオバトル」など分類困難な作品も素晴らしかった。

もうひとつの顔は論客である。社会評論というより文明評論という感じの深く広範な考察にいつも感心していた。変な思い入れで暴走する本を「トンデモ」と名付けて楽しもうという趣向はこの人の発明だ。愉快な妄想には好意的でも、弱者への迫害には厳しい目を向けていた。論理性の乏しいネトウヨとの対決は生涯を通じて続けられた。さぞ勇気のいったことだと思う。

2018年に卒中で倒れてから時々闘病エッセイをアップしていたが、やはり復活はかなわなかったか。
実は同い年だ。いつ死ぬかわからない年になったんだなあ。日本SF界の大きな損失だ。ご冥福をお祈りします。