柔らかな陽の朝 あなたに手を振る
ねこを撫でる夜 静かに吹くエアコンの風
ふわふわの上着を通して伝わる 体温の温かさ
見ていた風景に色が差し 光が差し
降っていた雪もやむ
まっすぐ続く道の向こうの 1本の樹までの遠さが 遠ざかる
少しずつ 景色が遠のいて この世界に あなたが加わる
ゆっくりパソコンのキーを打つ
私の誤変換を修正して まっさらな紙に打ち出す
歪を置いてきて 痕跡を忘れる
伝わらない言葉は もう話さなさい
聞こえない意味は 声を小さくして ひとり呟く
何人も超えていく日々の流れの中
首を振って 彼方へ 投げすてる
形をきめたルールを気づかせてくれたあなたの手を取って歩き出す
一緒に行けない人がいる
置いていかなくてはいけない人がいる
記憶して ただ記憶とともに 歩いていく
「記憶してください。私はこんな風にして生きて来たのです。」
のこるもの のこらないもの
その峻別は容赦なくて それでも 私はあなたをおぼえている
溢れる意識の表層を ずっとずっと 流れてる
あと、3週間で 桜の季節
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