「残酷な方程式」

・残酷な方程式 作:ロバート・シェクリー
日本SF黎明期に翻訳され、SFの面白さを伝えた作家の一人だ。ブラウンやブラッドベリはリアルタイムで読んだけど、シェクリーは読むのが遅れたので、あまり鮮やかな印象はない。それでもアイデア一発の奇想小説は、けっこう好きだった。

本書はやや落ち着いた感じで、普通の小説に近い。どこが面白いのかわからない作品も混じっている。
表題作は融通のきかない警備ロボットのおかげで探検隊員が脱水を起こしかける。
「ドクター・ゾンビーと小さな毛むくじゃらの友人たち」は、変人がマッドサイエンティストであることが、話の進行と共に判明する。
「それはかゆみから始まった」どこかのアンソロジーで読んでいた。奇想の極北のごとき逸品である。

印象に残るのは上記三篇くらいか。★★★