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2023年12月11日16:54

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12/7 中国書画精華ー日本におけるコレクションの歴史@東京国立博物館東洋館

先日根津美術館にて「北宋書画精華」展(こちら)をみて、少しは中国書画も知らないといかんな、と思い、東博に来たついでに、いつも手一杯で見られない東洋館に入場。
東洋館はもうそれだけで1日費やせるほど内容が濃いのだが、そのために来る時間がない。来年はもっと楽しみたいな。

https://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=2631
「中国書画精華」は、中国の書跡・絵画の名品を紹介する、毎年恒例の特集展示です。今年は、日本における鑑賞の歴史をテーマにしています。日本人の価値観・美意識の変遷をたどりながら中国書画をご覧いただきたいと思います。
日本にある中国書画は、伝来の時期によって、「古渡(こわた)り」「中渡(なかわた)り」「新渡(しんわた)り」と呼びならわされています。古渡りは、室町時代までに伝えられたと推定されるもので、唐から宋、元時代の格式ある作品を中心とします。古渡りによって確立された評価基準は、以後の日本の中国書画鑑賞史に大きな影響を及ぼしました。
江戸時代に入ると、明・清時代の書画の新しい作風が、地方作家や来日作家によって日本に伝えられました。これら中渡りの作品の様相は、江戸の著名な儒者・書家・蒐集家であった市河米庵(いちかわべいあん・1779〜1858)のコレクションに見ることができます。
近代に入ると、清朝の衰退・崩壊を背景に、中国の名門や富家で秘蔵されてきた有名な書画家の作品、特にこれまで日本では見られなかった歴代の正統的な文人書画が、日本に伝えられました。これら新渡りの名品は、日本における中国書画研究を大きく進展させました。伝来時期によって変化を見せる、日本の中国書画コレクションの魅力をお楽しみください。


「古渡り」「中渡り」「新渡り」なんてことを知らなかった。一つ賢くなりました。

《天帝図軸》元〜明時代 14〜15世紀 中渡り
北斗七星の旗と剣、玄武を従える玄天上帝が描かれ、その周りに、青龍偃月刀(せいりゅうえんげつとう)を持った関元帥(関羽)、黒衣の趙元帥、火炎に包まれる馬元帥、青顔の温元帥が配されます。
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中国の霊獣・玄武
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黒虎に跨っている趙元帥
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火炎に包まれる!馬元帥
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道教の神様のことはよく知らないけれど、興味尽きない。細かな描写、鮮やかな彩色、見応えあり。

《千手観音像軸》南宋時代 13世紀 古渡り
手に持つ一つ一つのものが気になる。それにしてもたおやかでちょっと艶かしい手だわ。
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金大受《十六羅漢図軸》 南宋時代 12世紀 古渡り
羅漢さんに従う虎がかわいい
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蔡山(さいざん)《羅漢図軸》元時代 14世紀 古渡り
蔡山は、元時代の怪奇趣味を体現する道釈人物画家。不気味さがいい。
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朱端《寒江独釣図軸》明代 16世紀 中渡り
宋時代の様式を継承。元祖雪景山水という感じだなぁ。
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蒋嵩(しょうずう)《帰漁図軸》明代 16世紀 中渡り
水気の多い墨を勢いよく注ぎ散らす画風の浙派(せっぱ)の作品は中国では不評だったが、日本では愛蔵されたという。これは日本人好みかも、私も好きだ。
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黄慎(こうしん)《秋柳図巻》清時代 雍正13年(1735)新渡り
「揚州八怪」のひとり。「揚州八怪」は古い友人が好んでいた文人画家たちで、ここでまみえるとは。寂び寂びした秋の風景がいい。葉の落ちた柳の枝が素晴らしいな。
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袁樹《小倉山房図巻》清時代 乾隆28年(1763)新渡り
袁枚が南京に開いた庭園「随園」を描く。美しい花壇や趣ある建造物に変化に富んだ散歩道。楽しくウキウキする巻物。
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書も同様に「古渡り」「中渡り」「新渡り」を紹介。書はあまりわからないので、割愛するが、これには驚き。
王建中《草書五言律詩軸》明代 16世紀 中渡り
江戸の豪商・豊田久右衛門所蔵。
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市河米庵模《模王建中草書五言律詩軸》江戸時代 文政6年(1823)
市河米庵は、豊田久右衛門からそれを譲ってもらい、その返礼として精巧な模本を送った。「双鉤填墨(そうこうてんぼく・輪郭を写してから点画の中を墨で埋める模写技法)で、原本の滲みや掠れ、欠損等による微妙な点画の形状が精緻に再現されている。
あまりのそっくりさに驚き。「双鉤填墨」技法、こういう模写の方法もあるのね、初めて知りました。このジャンル、基本的なのに知らないことが多い。
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12月24日まで

アルバムあります
https://photo.mixi.jp/view_album.pl?album_id=500000120973030&owner_id=2083345

東博を後にして西美へ。
銀杏の黄葉が見事。そういえば、東京都の木は銀杏。東京の秋(もう冬だが)は、もみじの赤より銀杏の黄色だね。
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