mixiユーザー(id:2083345)

2023年11月16日21:21

388 view

11/14 特別展 やまと絵ー受け継がれる王朝の美【3期】@東京国立博物館平成館

1期の日記
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1986164559&owner_id=2083345
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1986164724&owner_id=2083345
2期の日記
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1986260562&owner_id=2083345

3期は大幅な入れ替えがあるので、気合を入れていく。
1期では3時間強、2期では2時間、3期では2時間半、みるのにかかった。相変わらず空いてはいないが、興味あるものは最前列を待ち、興味ないものは飛ばす。
フォト
見終わった後は、目が疲れて、この日は本館に行く気力なく、庭園をぐるっと散策して帰宅。応挙館は、期間限定で「TOHAKU茶館」になっていて、食事にお茶やお酒が楽しめるようだが、座敷NGの私は残念ながら遠目で見て退散。
フォト

フォト


《日月四季山水図屏風》室町時代 金剛寺
「やまと絵の風景屏風」と聞いて、山はなだらかに霞み、里はのどかで、四季の草花木が美しく咲き乱れ、浜辺は変化に富んで趣き深く、船が浮かび、鳥が飛ぶ…そんなイメージでいると、これにはぶっ飛んでしまう。
右隻は、春から夏の景色に金箔の太陽。左隻は、秋から冬の景色に銀箔の月。こんもりした山々、幾えもの曲線の波、くねくねと踊るような松の枝、不定形な箔が散りばめられた空…
有り余るエネルギーを蓄えたそれら全てが絶え間なく蠢いているように見える。そういえば、日本という国は、美しい四季がある反面自然災害も多い。この屏風に自然への畏敬の念とそれに比して人間はなんとちっぽけな存在だと感じてしまうのは私だけだろうか。
3期の展示作品でもっとも心動いた作品だった。
フォト

フォト

雪舟等楊《四季花鳥図屏風》室町時代 京博
対するは漢画。ちょうど人が途切れて、一双の屏風を遮るものなく見ることができた。完璧な構図構成に舌を巻く。
フォト


3期の目玉は、三大装飾経が揃うとのこと。

《久能寺経 薬草喩品 第五》平安時代 個人蔵
平家納経より古い。経を納めた貴族が描かれているのだろうか、なんとも雅。上下帯には蓮の花、葉や雲が描かれていて、裏は銀泥で波模様。
フォト

《平家納経 薬王菩薩本事品 第二十三》平安時代 厳島神社
一番豪華。阿弥陀仏と女性貴族が黄金の線で結ばれている、結縁ってこと?文字が散らされていて、読めるのだけ繋げると「此命終 即 安楽 せ か い」女性貴族の手にもお経らしきものがある。
上下の帯の絵は、久能寺経より可愛らしかった。
フォト

《慈光寺経 妙荘厳王本事品 第二十七》鎌倉時代 慈光寺
こちらは、人物でなく、松や草花が鮮やかな緑青で描かれている。
フォト

《信貴山縁起絵巻 延喜加持巻》平安時代 朝護孫子寺
「天皇の勅使が京からはるばる命蓮を訪れ、天皇の病気治癒の祈祷を依頼する、3日後、剣の護法を身にまとった護法童子が天皇の枕元に現れ、病は快癒する」という話で剣の護法童子の姿がメインだが、訪ねる道すがらの人々の様子も相変わらず面白い絵巻だ。とはいえ、画像見当たらないので、護法童子の件。右手に宝剣、左手に羂索を持ち千本の宝剣を体に吊している。
フォト

フォト

立ち止まっている時は宝輪の上に乗っているが、走る時はこの宝輪を勢いよく回している。クルクル回る宝輪の描き方、千本の剣がジャラジャラと靡くところ、雲の尾を引いているところなど、疾走の様子がよくわかる。上手いなぁ!

《辟邪絵 毘沙門天像》平安時代 奈良博
上手いと言えばこちらも。鬼神の翼、蝙蝠のそれを参考にしたのだろうか、質感まで伝わってくる。
フォト

《病草紙》も場面替え。病気か奇形か微妙なところ、現代では笑らったらイケナイ内容なのだが、当時風俗を知る上でも貴重な資料であるとともに、絵画としてもかなり上手いと思う。
「風病の男」
神経系統の病気らしく、目が揺らいで、碁石を置くところが定まらないのを笑われている。
フォト

「ふたなり」
両性具有の人。確かめたくて、寝ているところをそっと見に行き、裾をめくって笑う二人。鼓が置いてあることから、占いで生計を立てていた?外観が少し風変わりな方が占い師にはぴったりかもしれない。
フォト

「肥満の女」
太り過ぎて一人では歩けない女の職業は金貸し、蔑まれるのも仕方がない。平安時代にこんなに太れるって何を食べていたんだろう。それにしても、中世の風俗画には赤子に乳をやる女がよく登場する。
フォト

「せむしの乞食法師」
フォト

「侏儒」
フォト

「背骨の曲がった男」
ビタミンD欠乏症のせむしと区別して、脊椎カリエスを病んだ人か、龍のように曲がっていて、せむしより症状が重そう。
フォト

《明恵上人像(樹上坐禅像)》鎌倉時代 高山寺
祖師像は、祖師の姿を画面中央に大きく描くのが一般的だが、この絵では縄床樹の上に坐禅する明恵上人の姿が、松・岩・藤・小鳥・栗鼠などに囲まれて小さく描かれている。自然や動物を慈しんだ明恵上人の人となりをよく伝えているとのこと。
フォト

マイミクさんから「リスを探してね」のメッセあり。ここにいましたよ。尻尾がふわっとして、少し見返っていて、めちゃ可愛い。ここだけ見たら、西洋の童話の絵みたいでしょ。
フォト

《僧形八幡神影向図》鎌倉時代 仁和寺
八幡様と二人の貴人がいるが、すごいのは、内側の壁に映った影。薄く金泥だけのシルエットでいかにも影向図らしい神秘性を生み出している。
フォト

《住吉物語絵巻》鎌倉時代 東博
継子いじめの話。最終段の住吉の地に着く場面。入り組んだ浜辺の描き方や人物の衣のひだなど、いいなぁ。
フォト

《東北院職人歌合絵》鎌倉時代 東博
貴族に倣って職人の歌合。職人といえども一癖ありそうで、やり手のババア巫女と負けて文字通りすってんてんの博打…って。
フォト

《厩図屏風》室町時代 国(皇居三の丸尚蔵館収蔵)
厩図は、馬だけを描いたものと、手前に人を描いた風俗図もあって、山口晃が現代風俗交えて描いていた(こちら)のが面白かったな。
右端の馬は何かに顔を近づけている…
フォト

相手はお猿さんでした。
フォト

《土蜘蛛草紙》鎌倉時代 東博
源頼光の土蜘蛛退治。土蜘蛛の首を切ったら、死人の首が1990個、人間の子供くらいの大きさの小蜘蛛が数知れないほど現われるの場面。この土蜘蛛、のちに歌川国芳の浮世絵でも有名。それにしても、土蜘蛛の顔が人面のような、獅子舞の獅子のような、龍虎図の龍と虎を足して2で割ったような…なんともユニーク。足もコオロギみたい。
フォト

《是害坊絵巻》南北朝時代 泉屋博古館
慶應義塾の「へびをかぶったお姫さま」展で見た話。
「唐の天狗是害坊が、比叡山の僧との法力競べ に敗れて怪我をし、日本の天狗に湯治などの介抱を受けて本復、送別の歌会ののち帰国するという、『今昔物語』に取材した絵巻。」慶應義塾での場面は、是害坊が湯治している場面だったが、こちらは担架で運ばれている場面。幼稚園のお遊戯よろしく、鴉の着ぐるみを羽織ったような天狗が面白い。
フォト

《百鬼夜行絵巻》室町時代 真珠庵
3期で場面替え。楽しい〜
フォト

フォト

《桑実寺縁起絵巻 巻上、巻下》土佐光茂 1532年 桑實寺
「やまと絵」展全体を通して言えることだが、絵巻物の展示箇所の場面説明がほとんどない。有名どころなら知ってもいるし、事前に調べてもおくが、まるで知らないと「一体これはどういうこと?」ばかりが気になって面白さも半減。その点、永青文庫のキャプションは丁寧でよかった。
これもあとで調べて知った。
「繖山山腹にある桑実寺の由来と、その本尊である薬師如来の化現(けげん)などを描いた縁起絵巻。」
この場面は「薬師如来が、湖中より現れた水牛(帝釈天の本地)に乗り、湖上を飛ぶ。陸上に着くと、馬(梵天の本地)に乗り換え、田畑や庵の上を飛び、桑実山山腹に降り立つ」ところ。
空を飛ぶ如来一行がパノラマで描かれ、眼下の里の水田が美しい。まるで現代のアニメのよう。
フォト

《竹生島祭礼図》室町時代 東博
こんもりと可愛い竹生島の祭礼の賑わいが細かく描かれている。
フォト

12月3日まで(3期は11月19日まで)
21 10

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2023年11月>
   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
2627282930