・十戒(23) 作:夕木春央
「方舟」の作者の新刊だ。
リゾート開発のため、9人の男女が無人島を訪れた。小屋には大量の爆薬が蓄積されていた。1人が殺され、犯人からの通告文が表示される。犯人を探してはならない、外部と連絡してはならない。違反すれば爆破する。三日間耐えれば救いを呼んでも良い、というのだが。
犯人が戒律を突き付けるという設定に惹き付けられる。確かに風変わりで新鮮だ。「方舟」を先に読んでいたので、なんとなく先が読めてしまった。
十戒は煩雑すぎる。ネタとして水増ししただけ。三つくらいにまとめられる内容だ。あと、不自然で無理すぎる。どう考えてもこんな展開にはならない。
突っ込みどころは多いが、今どき孤島ミステリを成立させた力量を評価したい。視点人物の痛さにも好感が持てる。★★★★
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