清張映画その3『風の視線』

『風の視線』(63) 監督:川頭義郎
冒頭に雪の上に倒れた死体が登場するが、ただ浮気旅行の最中に自殺に出会ったというだけで、事件にはならない。原作は浮気と三角関係を扱った恋愛小説で、清張にしては凡作だ。映画もほぼ原作通り。

竜崎という最悪の昭和オヤジがやりたい放題。お飾りの妻に新珠美千代、昔の捨てられた愛人を岩下志麻が演じる。二人の美人女優が唯一の見所だ。
松本清張本人が小説家の役で出演している。カメオ出演ではなく、しっかりセリフがある。貴重な映像だ。
どんな形で破綻するかと思わせて、意外にも後味の良い結末を迎える。物足りないけど、美女二人と清張先生の出演に免じて星三個。★★★