mixiユーザー(id:2615005)

2023年05月27日14:59

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「劇光仮面」3/「天幕のジャードゥーガル」2

愛読続行中の漫画から。

「劇光仮面」3巻 作:山口貴由
なんかとんでもない方向に走り出したな。こだわりの特撮グラフィティを熱くリアルに追求する話かと思ったら。いや、基本姿勢は第一回からブレてないか。
ヒーローを名乗るからには、実際に強くなければならぬ。ヒーローレイヤーという概念には驚かされる。
空気軍神ミカドヴェヒターVS覆面ヴァイパー!
円谷合成VS東映肉弾の異種特撮ガチバトルだ。ネタでもお笑いでもなく、この展開を暗い情念で真剣に描き出すところが凄すぎる。ヒーローにこだわる漫画家は珍しくない。古くは破裏拳竜、現役なら島本和彦がいる。しかし、ここまでヒーローの意義を考え抜いて、虚実の境界が破れるほどのクオリティで描ききった漫画家は、作者だけだろう。唖然としながら付いていくしかない。
★★★★★

「天幕のジャードゥーガル」2巻 作:トマトスープ
ペルシャ人の奴隷少女シタラは、モンゴル軍の侵略によって拉致され、チンギス・カンの四男トルイに仕えることになった。
こちらもぶっ飛びの二巻め。中央アジア民族トリビアを交えた女性漫画(乙嫁語りみたいな)かと思ってた。とんでもない。これは歴史漫画だ。シタラはモンゴルへの怨みを忘れておらず、似た境遇の第六皇后ドレゲネと心を通わせる。うひゃあ、深謀遠慮が交差するドラマの深さよ。たまりませんな。

石川球太の漫画や光栄のゲームが大好きだったので、モンゴルの歴史を多少は知っている。やはりこの時代は面白いな。モンゴルの首長は末子が後を継ぐらしい。大抵の民族は長男がぜんぶ持ってくのに、珍しい。
複雑な捻れた情況と先読みの論理が死ぬほど楽しい。絵柄は初期手塚治虫のような頭身小さめのまんが絵だ。愛嬌があって可愛らしい。楽しみな漫画がまた増えた。
★★★★★
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