昼夜逆転/『血とダイヤモンド』『吼えろ脱獄囚』

なぜか生活リズムが狂って夕方から爆睡し、日記を書き損なった。今日は映画を二本レビューします。両方とも福田純監督だ。

『血とダイヤモンド』（64）
強盗団が三憶六千万のダイヤを強奪した。計画を知っていた半グレ集団は、盗まれたダイヤを更に奪う。横取りグループの頭目に佐藤充、子分が砂塚秀夫。疾走感最高のスピーディな展開で、複雑なプロットなのに明解きわまりない。
横取りのときに負傷したボスを治療するため、外科医（志村喬）とその娘（中川ゆき）を誘拐するが、ある重篤な問題が生ずる。もちろん警察は厳重な非常線を引く。盗品バイヤーの中国人や被害を受けた本職の強盗団、さらに保険会社に雇われた探偵（宝田明）がそれぞれの思惑で動き出す。先がまったく読めない。手に汗握るサスペンスの連続だ。
佐藤の愛人は水野久美で、刑事に夏木陽介。なんという贅沢な配役だろう。長年怪獣ばかり贔屓にしていたが、60年代東宝映画は傑作の宝庫だな。★★★★★

『吼えろ脱獄囚』（62）
弟殺しの冤罪で服役中の竜介（佐藤充）が脱獄した。竜介は真犯人と目されるキャバレー支配人の三田村を追い詰める。
わりと単純なストーリーで、今見ると物足りない。本作の眼目は女優陣である。セクシーなキャバレー歌手に水野久美。彼女のステージ姿はとても稀少だ。溜息が出るほど美しい。清純派歌手に星由里子、シガレットガール（煙草を店内で売り歩く少女）に浜美枝。
極楽みたいな眺めである。女優と歌唱シーンだけで見る価値がある。★★★★