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2023年05月05日16:45

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最初のプリキュア映画/『怒涛一万浬』

『映画 ふたりはプリキュアMax Heart』(05)
監督:志水淳児
劇場版プリキュア第一作だ。特典ディスクで野沢雅子さんが「女の子向け作品の映画化は珍しい。応援ありがとう」と述べているのは、隔世の感がある。確かにこの時点では、アニメ映画といえばジブリ以外はバトルかロボット物と決まってたような。この後毎年新作が作られるとは、誰も予測できなかっただろう。

希望の園から救援を求められ、なぎさたち三人は旅立つ。助けてもらう立場なのに、蛙人間たちの態度がでかいので、腹が立つ。飛行呪文が早口言葉というのが間抜けである。いちおう王宮に招待されるのでパーティードレスがあるのだが、人数が少ないので地味だ。
船の墓場でのバトルはユニークだった。見せ場はここだけ。色々物足りないけど、最初だから手探りだったのだろう。★★★

『怒涛一万浬』(66) 監督:福田順
三船プロ初の自主製作である。
大西洋で操業するマグロ漁船がテーマだ。シンプルでダイナミックな海洋映画である。スペイン領カナリア諸島のラスパルマスを拠点として活躍する第八東丸の船長・矢野(三橋達也)は漁撈長の任を解かれる。船員たちは本社から来た新任の村上(三船敏郎)に反発するが、やがて判断の正しさと人間性に魅かれていく。

高度成長期を手放しで賞賛する意見には賛成できないが、本作のような力のこもった労働描写を見ると、やはり何も考えずに前進していられた時代は良かったなあと思う。まだ水産資源という概念が乏しく、海に魚は無限にいると思われていた時代、日本の漁船は地球の裏側までも魚影を追っていった。「日本人の蛋白源確保と外貨獲得のため」というセリフが時代の気分を表している。
実際に操業中の漁船で長期ロケを行っただけに、迫力は抜群である。甲板に引き上げられて跳ね回るカジキや採れてしまったマンボウやサメに目を見張った。海と魚に惹きつけられるが、役者も贔屓どころが集まっている。ベテラン船員の佐藤允や看護婦の浜美枝が魅力あふれる演技を見せてくれる。人命救助と仕事の板挟みがクライマックスだ。後味が清々しい。単純に言うなら、良い時代の良い映画だ。★★★★★
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