見終わったので、レビューします。
『Yes!プリキュア5』(07) 全49話
三作続いたバディものから、チームものに変更された。今に続くフォーマットを完成させた作品として、初代に劣らぬ偉大な業績と言えるだろう。歴史的意義だけでなく、良くできていて面白い。完成度の高さがシリーズの基盤を作ったのだ。本作がコケていたら、プリキュアはここで終わっていた。
チーム編成が秀逸だ。主人公のぞみは明るさが取り柄のドジっ子、同級生りん(レッド)はスポーツ万能で昔からの親友。うらら(イエロー)は一年下で、女優を目指している。かれん(ブルー)とこまち(グリーン)は上級生で落ち着いた感じ。親友同士を核にロリとお姉さま二人を配するというバラエティ豊かな布陣だ。
特に地味になりそうなこまちに小説家志望という属性を与えて、メタフィクションとして盛り上げたのは、脚本の勝利だ。
敵組織ナイトメアはブラック企業だ。リアルに悪そうである。ブンビーの中間管理職ぶりが泣かせる。部下のカマキリ男や蜘蛛女はまあふつうだが、ガマ男が出色のキャラだ。やる気のないアルバイターで、うまく行かないのを他人のせいにする。悪人というより嫌な奴だ。ヒーローものでこんなキャラは初めて見た。
赤紙ならぬ黒紙を渡されて自殺攻撃を命じられるシーンは残酷極まりない。
学校新聞を作る増子ミカは単なるお邪魔キャラと思いきや、一年通してバイプレイヤーとして盛り上げてくれた。個別エピソードでは、23・24話の闇堕ち篇が出色の出来だ。34話ではかれんが珍しい騎馬戦を披露する。27話りんと幽霊のロマンスも印象深い。
少女向けだからイケメンが必要という判断か、妖精が人間の男に変身する。実態は二頭身のちんちくりんなのに、男前ぶられても困る。ファンタジーだから、これでいいのか。
しっかり作り込まれたいい作品だった。★★★★★
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