mixiユーザー(id:18419990)

2022年04月09日02:01

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そうだ!teがどのように訳されているか?

 なんと驚くべきことに全くといっていいほど訳されていない。工夫して訳さなかったのではない。訳すと不自然な日本語になる。どういうことか説明しよう。

 所有格ter、これは訳さないのが普通だ。これについてはあとで詳しく述べる。
 主格・目的格。このteが出てくるシーンでは他にsheが2人。モノローグ形式だから「弊機」は必ず「I」だ。総勢4人、それに敵方の人物も現れると人数はさらに増える。そうなると英語といえども固有名詞を主語・目的語にせざるを得なくなる。言うまでもなく、そうしないとわけが分からなくなるからだ。だから主語・目的語に人称代名詞が用いられるのは行為者・被行為者が文脈上明確な場合に限られる。以前の日記にも書いたが、その場合では日本語では主語・目的語が省略できる。否むしろ省略するのが自然な日本語だ。
 さらに英語では固有名詞を繰り返すのは禁忌だが日本語ではそうではないから人称代名詞に固有名詞を充てて訳してもいい。この辺は重複語が印欧語では幼児語(ex.mama)にしかないのに環太平洋諸語では普通にある(山々、人々etc.)のと関係があるのかもしれない。

 さて予告した人称代名詞所有格、これはherでもhisでも同様だ。たとえばShe raise her hand.(原書の文ではありません)このher要らなくね?そんな感じで日本語には訳されない。彼女は誰の手を挙げるというのか?自分の手しかないだろう。もし他人の手を挙げるのならば、使役動詞を伴ってlet his hand upとかになるのではなかろうか?原書には執拗に人称代名詞所有格が現れる。原書だけ読んでいる時は気づかなかった。訳書と比較して初めて気づいた。知らなかったともいえる。
 ググってみた。口語では省略できるが文語では丁寧な表現として省略しないのが普通であるという。ずいぶんと非論理的ではないか!論理的思考は西欧人の十八番ではなかったのか?とはいえ、そんな事をぐだぐだ言っても始まらない事は解っている。言語というものは正しいとか論理的とかではなく大勢の人がそうするからそうなるのだ。

 ところで本書を他の本の何倍楽しんだだろうか?本書のせいで学術書を読む羽目になったが、その学術書が面白かった。原書も読みたくなって読んだ。そして最後まで、こんな面白い発見がある。
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