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2021年06月07日07:25

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円空さんの千体地蔵さん

今日のカットは、愛知県津島市の千体地蔵堂の千体地蔵さんです。
地蔵堂と言っても、人が入ることもできない小さな祠で、町内の人が護ってこられたもの。
20.6センチの中尊の周りに5センチほどの小像が1008体、雛壇の上にぎっしり並んでいます。全体の高さは62センチの可愛さ。
1963年頃、台風で扉が壊れたままて、誰でも覗ける状態のときに地元の円空仏ファンの人が、この像を見て円空仏ではないかと考えます。
そして当時円空仏研究で第一人者とされる大学教授に相談、その結果、円空仏であると確認されます。
ただ確認当時は、多くの小さな像が落ちて積み重なった状態だったのを、その教授が雛壇から、元あった場所を控えもせず、すべて取りはずし、埃を払ってから、元は膠でくっつけられていたはずのものを、化学接着剤で適当にくっつけて行ったとのこと。
本来中尊の裾には六地蔵がおられたようですが、現在は服装もバラバラな8体がくっつけられています。
また小像の顔と体の向きがバラバラで一貫性が全くありません。
確認された当時の部分的な写真をネット上で見つけたのですが、そこには小像のお顔が皆、中尊に向かっていて、まるで光背のような雰囲気です。
信じられない無茶苦茶なことをする円空研究家もいたものです。
円空さんへの畏敬の念も見られぬ所業に憤りを覚えます。

今回下絵を描くため、写真を詳しく見ていて気付いたのですが、お顔の表情が実に変化に富んでいます。
小顔から大顔、瓜実顔、下駄顔などがあり、上向き、俯き加減の顔も。
また表情も細い眼の笑顔や大口を開けて大笑いしているように見えるもの、中にはムンクの「叫び」を連想できるものなど、観ていて飽きません。
ただ、今回は、目鼻口のカットは細かすぎて断念しました。

今も町内会の人が一年に一回、8月24日の地蔵盆の一日だけ開扉してお祀りされています。
盗難や火災・水害などの被害に遭わないことを祈ります。

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