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2020年04月14日13:23

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幻の 法隆寺金堂壁画と百済観音@東博

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会期は3月13日から5月10日。2月下旬安倍さんの掛け声で美術館が軒並み休館となった。当初の予定は3月16日までだったが、状況はますます悪くなり、3月12日にWHOがパンデミックであると発表、月末には都が4月12日までの外出自粛を要請、展覧会の開幕は未定となった。そして、4月7日、ついに5月6日までの緊急事態宣言が出て、展覧会そのものが中止となった。

一般の人の目に触れることなく、観音様たちはお帰りになる。法隆寺の関係者様、博物館の関係者様の無念を思う。先週の日曜美術館は、この展覧会のレポだった。

この展覧会には、思い入れがあり、行きたかった。

子供の頃、父から金閣寺と法隆寺金堂の火事について繰り返し聞いた。スキャンダラスな話として心に留まっていた。

旅行三昧だった80年代から90年代、もっとも好きな旅行地は奈良だった。新聞でこんな記事を見つけて応募した。1994年のこと。
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法隆寺の金堂は戦後間もない昭和24年解体修理中に火事で焼損した。中には飛鳥時代に描かれた壁画があり、当時日本で著名な日本画家が模写作業をしていた。火事は、電気ストーブの消し忘れが原因らしい。消し忘れた画家の名前も取り沙汰されたがうやむやとなった。
しかし、模写や写真が残っていたおかげで壁画は再現、現在それらが公開されている。焼け残った金堂はそのままの形で、収蔵庫に収められた。
この時の特別公開は、焼けたままの状態で保存されている焼損金堂と壁画、火災前に運び出されていた小壁画「飛天」二十面、国宝の建造物「食堂」であった。11月23日に当たった。

焼損の金堂を丸ごと収めた収蔵庫に入ったら、焦げ臭い匂いがした。40年近く経っているのにまずそのことにびっくり。そして焼け焦げた壁や柱になんとも言えぬ思いだった。臨場感が忘れられない。観覧時間は1時間、写真撮影NG、解説を聞きながら移動する。助かった小壁画が美しかった。

この時の旅行は、2泊3日で、着いた日は、東大寺と岩船寺、当尾の石仏めぐり、浄瑠璃寺。法隆寺を見学した2日目には斑鳩三塔と唐招提寺から春日大社。帰る3日目には東大寺、春日山原始林、新薬師寺から元興寺、奈良町など時間を惜しむように奈良を歩いた。1日2万歩から3万歩。今はその半分も歩けないな。
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そんなわけで、今回の展覧会は見たかったので、残念。
一度失われた文化財はとりかえしがつかない。一度失った命は二度と取り戻せない。美術館禁断症状がそろそろ出てきたが、我慢の時だ。


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