mixiユーザー(id:22942022)

2020年02月09日00:29

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週記481 Thinking, Fast and Slow その1

 まだ読み途中ですが、ダニエル・カーネマン氏のファスト&スローの内容が大変おもしろかったのでそのことについて一度書いておこうと思います。

 内容はリンダやトム・Wなど、人の情報処理・判断機構を明らかにするテストを考案して実行した結果や他の心理学者たちの研究結果との関係性を踏まえ、人間の思考と意思決定機構を司るシステム1とシステム2の機能を明らかにするというものです。

ここではそれぞれの詳細は割愛して私が途中まで読んで感じたことや面白いと思ったポイントに焦点を絞って書いていこうと思います。

 まず大変興味深かったことは人間の判断基準は曖昧で、様々な要因(情報)に左右されて意思決定がなされるという点です。

当たり前のように感じますが、例えばリンダという人物像の説明を読んだあとに彼女の職業・活動で可能性が高そうな順に選択肢を選ぶというテストをしたときに(第15章リンダ)、人物像という脚本付けを事前に行ったことにより、論理的に明らかに確率が低い選択肢を上位に持ってきてしまうということをダニエル・カーネマン氏は実験的に明らかにしています。

具体的には、リンダの人物像を聞いたあとでは「彼女が銀行員である」よりも「彼女は銀行員で、フェミニスト運動の活動家である」のほうがより説得力が強く感じられ、後者のほうが可能性が高いと85%以上の被験者が錯覚したのです。

選び終わったあとに論理的に後者のほうが低いことを指摘すると、「ただ自分の意見を聞かれただけだと思った」などの回答があったそうですが、このことこそが代表性(ステレオタイプとの類似性)のほうが論理性を超越する瞬間があることを示しています。

 これは代表性を感じ取るシステム1が形成した印象をシステム2がちゃんと精査せず採用しているせいだろうとのことでした。

システム2は複雑な思考・論理性を司っていますが、怠けものでできることならその機能を発揮しないで済まそうとしています。

例えば、上司が業務が多く反射的に多くの物事をシステム1で処理しているときに、複雑な提案や新たらしいアイディアの相談などをしてもあまり反応が良くないのは、システム2がきちんと起動していないことが原因とも考えられます。

 人間の心理作用というのは進化の過程で出来上がってきたものなので必ずしも現代のシステマティックな生き方に合致しているわけではないな、ということを実感した今日このごろ。

また面白いところを読んだら書いていこうと思います。

以上。

P.S.
書き終わったあとに思いましたが、上記は人間の直感が如何にいい加減かを示しているとも捉えることができます。逆に言えば、この直感を満足させるように(そう錯覚させるように)説明できれば人間は簡単に納得させることができ、またこの直感が働く癖を知っていればバイアスを排除して複雑なことを考えることができます。アクションに繋げられそうな面白い気付きです。

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