先日引っ張り出したシルエット作品群の続きで、法隆寺さんの百済観音像です。
実際の像もすらりと8頭身、いや9頭身に近いのですが、こうしてシルエットで見ると、そのスマートさがさらに際立ちます。
飛鳥時代に楠で造られたとされますが、謎が多い仏像です。
まず、「百済」が付くことから渡来仏と誰もが想像しますが、この時代、朝鮮半島では楠の木を使った仏像は存在せず、日本で造られたとされています。
また、名前も昔は「虚空像菩薩」でした。
それが、蔵から冠が見つかり、どの仏像のだったかを調べて行くと、この像に残る釘の穴の位置とピッタリ合致します。
ただ、その冠には観音様を示す化仏が付いていたことから、「虚空像菩薩」から「観音菩薩」と名前が変わります。
冠がはずされて蔵にしまわれた理由も記録になく、謎のままで「神秘」さが増します。
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