桃始笑(ももはじめてわらう)、蚕起食桑(かいこおこってくわをくらう)、涼風至(すずかぜいたる)、水泉動(すいせんうごく)。「二十四節気」と比べマイナーな「七十二候」だけれど、雅やかであり、ユーモラスでもある芳醇な言葉は、四季折々の時の魅力を存分に伝える。
その言葉とともに、美しい花々の写真、和名や異名、花を詠んだ俳句や短歌が盛り込まれている。これまでに読んだ、文章だけの『水のなまえ』と『星のなまえ』も想像力をかき立ててよかったが、やはり「花」は写真があるといい。鮮やかな色彩の洪水に包まれて、心が華やぐ。
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