ライト兄弟が初飛行を成功した1903年当時、百年余でここまで航空が大きな発展を遂げると誰が想像できただろう。
本書は、第二次世界大戦後、国主導の下で拡大し、二十世紀末に規制緩和、航空自由化へと舵を切った航空の歴史を概観する。
規制緩和による競争の激化によって姿を消した欧米のあまたの航空会社の名前を見ると、栄枯盛衰という言葉が頭に浮かぶ。
効率性や安い運賃と、安全性や安定した運行。両者のせめぎ合いは、航空に限らず、あらゆる交通モードで生じ、規制の緩和と強化の最適なバランスは永遠の課題だろう。
ただ、一度事故が起きた際の被害の甚大さを考えると、航空は安全に重きを置くべき最たる分野であるように思える。
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