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2019年06月01日16:55

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本棚157『人類と建築の歴史』藤森照信(ちくまプリマー新書)

 建築の歴史は、「紙に包んで捻ったアメ玉」と著者は形容する。
 
 マンモスを追い回していた頃、家の形は世界共通だった。青銅器時代、四大宗教の時代から、各地域の建築文化の多様性が開花する。しかし、大航海時代にアフリカやアメリカの、産業革命の頃にアジアの建築の多様性は失われ、歴史的様式や装飾美を特徴とするヨーロッパ建築が世界を席巻する。20世紀になると、幾何学的なモダニズム建築、「白い箱の大きなガラス窓」が取って代わる。

 「一つから始まり、多様にふくらみ、また一つへ。人類の建物の歴史は、約一万年して、振り出しに戻ったのである。」人が一生の大半を過ごす建築。建築の歴史を知ることは、人の歴史を知ることかもしれない。この本は、その大きな見取り図を示してくれる。
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