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2018年06月12日18:28

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百四十年目の真実

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今年は明治維新百五十年にあたる。それに合わせるように、NHK大河ドラマ「西郷(せご)どん」も放映中だ。

本書が発行されたのが去年の十二月なので、やはり大河ドラマの関連本の一つなのだろう。ある意味どストレートな著名に惹かれて手に取った。

少年時代から憧れていた西郷さんに関して、何か目新しいことが書いてあるかなという期待を持った。その思いはある程度応えてもらった。

まず、西郷さんがどのような最期を迎えたか。従来の定説を覆す資料の存在に、茫然としてしまった。

この資料の信憑性が高いとするならば、今後西郷さんを主人公にした小説やドラマに新しい光が当てられることになるだろう。

また西郷さんが本来どのような人物像であったかということにも焦点を当てており、興味深く読ませてもらった。

当然、本書に書かれていることを信じれば、西郷さんが島津久光を田舎者扱いしたとか、明治六年の政変で征韓論者の濡れ衣を着せられた背景が氷解するわけである。

いずれにしろ、どこを読んでも従来の西郷さんを覆す事実を前に、ほんまかいなと思う自分もいる。

恐らく未読の方は同じような疑問を抱くはずだ。本書ではそれに応えるように、さまざまな文献からの引用を行なっている。

どうしても信じ難いと思う方がいれば、いちいち参考文献にあたってみることをお勧めする。
ただし文末にでなく文中に書かれているのみなので、面倒臭いと感じるむきもいらっしゃるだろうが。

いずれにしろ、本の著作者と読者というのは書かれたことに真実味があるかという信頼関係で結ばれている。

本書に限らず、信頼関係が容易に結べないという読者の方には関連書籍をいくつも読んでみるというのが誠実な対応といえる。

こう書くのも、小生も長い間西郷隆盛に関して一方的にも見える評価の書籍を読んできたからだ。

特に歴史上の人物について知りたいと思ったら、いくつもの書籍に目を通しておきたい。自戒の念もこめて。


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