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2018年04月15日22:11

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十周年ミクさん/松本清張二冊

メガプラザで買った十周年アニバーサリーミクさん。
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虹色に輝くシャツが美しい。
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空飛ぶミクさん。   翼(羽?)はこうなっている。
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ウインクもかわいい。

タイの古本屋で買った松本清張は、二冊とも現地で読んだ。
・連環(62)
東京で職を失った笹井は、北九州の小都市で印刷屋に職を得た。薄給の上に社長はワンマンで、あまり良い職場ではない。笹井はまとまった金を掴んで人生をやり直すため、ある計画を実行する。
清張は市井の小人物を描かせては天下一品である。本作も小悪党の笹井が実に生き生きとしている。ほかの作品では男に比べて女の扱いが類型的なこともあるが、本作では女の描写が冴えまくっている。無気力な社長の妻滋子、放埓な愛人藤子、小悪魔的な美女早苗など、目の前に姿が見えるようだ。滋子の息子一郎は、知能の発達が遅れているが、物陰からじっとりと笹井の策謀を観察しているようで、薄気味悪い。
零細出版社を立ち上げたりするくだりは、とても興味深く読んだ。印刷業は作者の昔の仕事で、出版は言うまでもなく身近な業種だ。60年代の業界が見事に活写されている。

犯罪サスペンスとしては一級品だが、ミステリとしては欠点が多い。というか、破綻している。悪だくみを暴かれ、笹井はすべてを失う。その過程があまりに唐突なのだ。悪が悪を食う世界ではあるが、笹井を潰しても一円の得もない。正義感なんかで動いたわけはないし、動機がわからない。どこか重要な個所を読み逃がしたのかと思ったが、解説に私の感想と同じことが書いてあった。ううむ、結末を投げたのか。
読んでいる間は夢中になったので、星4個で。★★★★

・軍師の境遇(57)
「高校コース」に連載したジュビナイル歴史小説だ。黒田官兵衛の半生記である。とても読みやすく、背景や人物関係がわかりやすい。平易ではあるが、決して子供向けのいい加減な作ではない。
痛快な勝ち戦の話もあるが、それよりも権謀術策を巡らせる頭脳戦の面白さが際立つ。足が悪いことは知っていたが、原因はこの本で知った。酸鼻極まる体験だ。武力(暴力)がすべてを決する時代にこんなハンデを背負い、なおかつ歴史に名をとどめたのは称賛に値する。足の悪い知恵者というキャラはよく見かけるが、元祖はこの人かな。
十代でこういう佳作に出会えた昔の高校生は幸せ者だ。★★★★

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