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2018年03月20日21:26

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花衣

フォト

平安朝では「桜襲(さくらがさね)」といって、表が白、裏が葡萄(えび)染めの襲の衣のことを言ったのですが、次第に花見の時に着てゆく女性の衣のことを言うようになりました。
江戸時代の花見は、美しい打掛けを桜の枝から枝へ渡して、仮の幕として人に見せたようです。
また実際に花びらが人に降り掛かった衣のことも花衣と呼びました。
蕪村の「いかだ士や 蓑やあらしの花衣」は、いかだ士の蓑に桜の花びらが降り掛かった様子です。
衣で言えば、季節は違いますが「落ち葉衣」も、木の葉の間からさす月の陰(光)が衣に映った様子です。
むかしのご先祖様は、自然や周囲を上手く使って美しさを演出してましたね。
「借景」しかり、「火炎欄間」「鹿威し」や「水琴窟」などあげればきりがないですが、全て同じことですね。
自分だけが綺麗に映えることを競っている今の人からは、理解できないかもしれません。
自然と調和していて、それを取り込み美しくみせる、これは人と人の関係にも言えるのではないでしょうか。

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