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2018年02月20日19:45

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寮友 秋山来る

秋山が来たのは17日土曜の夜のことだ
金曜にサッポロを発ち、
その日は東京に泊まった、と。

土曜は伊那の母校・農学部へ。
出身の造園研究室に用事で来たんだと。
伊那は何十年ぶりに還ったんだと。

そして夜、松本へ来るのも七年ぶりくらいだったろう
10時半、駅で秋山を迎えた
ロクに食ってないんでハラが減ってるらしく、
家への帰りがけに浅間温泉のメイン通りに行ってみたが、
うどん屋も中華も居酒屋「中ちゃん」も、もうみんな閉まっている

「マテヨ、」
と、おもいついて、さびれた枝道の通りに入ると、
ラーメン屋が一軒、まだやっていた
客はいない
秋山がおごってくれた
土曜とは言え、その夜、お客は俺たち以外、果たしていたのか
遅かったせいもあるが、温泉街にはひとっこひとり、
クルマ一台見当たらなかった


家に帰り、おれの巣で、越後長岡の19度生原酒。
布団を出すのが面倒になり、
「寝袋でいいか?」
「いいよ、きのうも東京のイシワタんとこで寝袋で寝た」

1時間も寝ないままおれは配達に行き、
朝5時、帰ってきて部屋に入ると何か言ってるので、
起きて待っててくれたのか、と話しかけても応えにならない
寝ながらひとり、語って唄ってやがる
あっちでも毎日がこんななんだろう

しばらくすると秋山も起きたので、
太宰、土門拳、植村直己、そしてうちのおやじの話もした

せっかくなんで、どっかひとつでも連れてくつもりが、
もう昼ちかい
まっすぐ信州まつもと空港に向かった
12時15分、青天の中、飛び立って行った



夜を越し、好きなおんなの話を聞いてやったが、
三十六年前、信大農学部チューゲン寮でやつと相部屋になり、
おんなの話を聞かされたときとおんなじくらい馬鹿のままだと思った

それでも今の彼女は十五年間、相思相愛なんだと。

それはよろこぶべきことだ、と友情で言っておく。


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