今日のカットは、戌年ということで、興福寺東金堂におられる十二神将の中の伐折羅像です。
鬼気迫る形相で剣を振りかざすその姿、特に剣の先の真正面に立つとゾクッとするものを感じます。
よくぞここまで表現できたものと思います。
これを造っている最中の仏師の心情を勝手に想像するのですが、多分「鬼気」の気持ちを持たないと無理なのではないでしょうか。それとも、心と手は全く別に動くのでしょうか。
凡人ゆえ、私は憤怒相の像を切っている最中は、多分自分の顔も怖い、もしくは険しい表情になっているのではと思います。
ただ、避けるべきは、そんな顔をしていると、つい過去の腹の立つ思い出や悔しいときのシーンを振り返りがちです。
そのようにならぬよう、自分に言い聞かせながら制作しています。
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