mixiユーザー(id:2615005)

2017年03月02日00:47

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『時空の支配者』『原子力潜水艦シービュー号』

午後の飛行機で帰国するが、もう一本書いていこう。どちらもSFです。

・原子力潜水艦シービュー号(61)シオドア・スタージョン
本書の作者名表記は「シオドー」。映画『地球の危機』のノヴェライズらしい。読んでるうちに思い出した。子供のころ封切り時に見ている。解説にあるように、あまり大した映画ではなかった。で、「小説のほうが出来がいい」とアーウィン・アレンが本書を下敷きにテレビシリーズを作ったそうだ。

幻想小説の名手がメカSFを書いていたというのは驚きだ。
昔の海洋SFだから無邪気で単純かと思ったら、とんでもない。地球を襲う熱波を消滅させるため、ネルソン提督ひきいるシービュー号は作戦を開始する。だが、大物科学者が反対したため、世界中の海軍から追われる羽目になった。さらに艦内では謎の妨害が起こる。
陰惨である。訳文がもっちゃりしているせいで、途中までは退屈だ。話が動き出してからは一気呵成に突っ走り、気持ちいい。海底ケーブルを引っぺがして連絡するシーンが好きだ。大昔の作品にしては、けっこう楽しめた。★★★

・時空の支配者(84)作:ルーディ・ラッカー
主人公フレッチャーのもとに親友のハリイ・ガーバーが訪ねてきた。時空のすべてを支配する能力を手に入れたという。時間と空間を駆け巡って捻じ曲げる大騒動が巻き起こる。

深い数理的真理が隠されているのかもしれないが、そこはわからない。わからなくても読むのに支障ないし。デタラメで笑えます。ポークチャップの木や促成ゴジラが気に入った。変な宗教世界が出てくるところは、ディックの「宇宙の眼」を連想した。愉快なスラップスティックSFの佳作だ。★★★★
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