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2016年04月03日01:33

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週記280 昭和元禄落語心中

 今回で第一期が終了したので感想がてら少々。

 物語は落語が廃れ始めてきた現代(より少し前)から始まります。大体1990年前くらいですかね。

ひょんなことから八雲師匠(菊比古)の落語に惚れて弟子入りした与太郎が聴いた師匠の過去話から物語は始まります。

 落語家、八雲という襲名の周りにある因果に似たしがらみ、助六の名前。

 細かい話の流れは書きませんが、この作品の大きなテーマは因果(しがらみ)となると私は思います。

投げ出され、出会って、選んで進んできた八雲(菊比古)の長い人生の中で折にふれて邂逅することになる助六の名前が印象的でした。

八雲師匠の昔話の中で熱く語られる助六の言葉が現代になって蘇ってくる因果に私は魅了されました。

 そもそも題材となっている落語というものが物語を少しずつ象徴しているのが素晴らしかったです。

落語では色々な物語が情緒豊かに語られます。

1人の人間が何人もの登場人物に成って一つの物語を描く。

それはあるときには菊比古を、ある時には助六を、ある時には与太郎を、描いていました。

人間を象徴する物語を語る、落語をモチーフにしたこの作品の情緒表現の美しさが際立つ演出でした。

 落語は落語家それぞれで風情も違う。例えば菊比古と助六のように、いくら目指しても同じようにはならないんですね。

それに関して作中で何度も出てきますが「てめえの落語は見つかったか?」という表現がありました。私のお気に入りの言葉です。

叶わないものを目指すのではなく、自分にあった落語(道)を見つける。

「てめえの落語はみつかったか」と助六は菊比古に何度も問います。

遠い遠い道の先にある目指すべき落語の道を見続けていた助六と、彼を追って自分の道を迷いながらも見つけた菊比古と、その菊比古を引き止める為に助六を奪った美代吉。

道は見つかっても踏み出そうとする脚にはいつも何かが絡まっていて、生きることはまったくままならないもので。

 13話と短いお話でしたが、人間の人生を内包する素晴らしい作品でした。

いい物語に出会えたことに感謝しつつ、お花見にでも出かけてきます。

2016.4.2 

【最近のDiary】
・English is only a tool
Recently, my boss said that ‘’English is only a tool. If you can’t us the tool, you might be judged incompetent’’. That’s true. If I don’t have specialized knowledge, I wasn’t specialist of some domain. Those are that same thing. So I have to study and get English skill more than now.

【最近のCherry blossom】
・新宿御苑(Photo No.1)
 今週は新年度会を兼ねて新宿御苑でお花見をしてきました。お花見っていうのは結局は新年会や忘年会と一緒で飲み会をするための口実だなーと思いつつも、特に気負うことなく出来るいい機会だと思った次第です。花粉さえなければ良いんですけどねー。
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