mixiユーザー(id:6327611)

2015年12月09日05:19

748 view

「大脱走」でブレイクした直後に公開された、ゆる〜い軍隊ものコメディー。ラルフ・ネルソン監督「雨の中の兵隊」(1963)。

まず、今まで僕はスティーブ・マックイーンについてミクシィの日記で30回近く触れています。名前で検索しただけなので最近アカデミー賞レースに顔を出している同名監督も含まれているかもしれませんが、そのときも僕は必ず“有名スターのパチモン”と言っていたと思うので、ここで僕が言うスティーブ・マックイーンにも触れていることになります。

そしてカタカナ表記について確認しておきましょう。僕は基本的にスティーブ・マックイーンと書きますが、オールシネマ・オンラインでは“スティーブ・マックィーン”となっています。このサイトでは女王のことを“クィーン”としているのかもしれませんが、僕は女王のことは“クイーン”と表記しますから、このサイトとは相容れません。もっとも検索したらどちらでもひっかかるようにしているのは偉い。

昭和三十年代に、“ヴ”や“ティ”というカタカナ表記を簡略化して統一しようとしたことがありました。だからディーン・マーティンがジーン・マーチンとなり、スティーブ・マックイーンはスチーブ・マッキーンとなりました。誰のことや? なんでそんなアホなことをしたのかというと、ゲーリー・クーパーのことを、ゲイリィ・クウパァと書き表して気取ったつもりの年配映画評論家がおったからじゃないかな。そこまでこだわるなら英語表記しろっての。

余談はともかく、「雨の中の兵隊」です。原作が後に映画の脚本家として活躍するウィリアム・ゴールドマン。彼が1950年代に書いた小説で、自らの軍隊体験をもとにしているらしい。そもそも書きかけて投げ出していたものを友人に見せたら、“女が登場しない”と文句を言われ、そこで書き直して出版する気になったとか。しかし出版社は悲劇的な結末に不満で、“書き直せば売れる”と言ったそうです。でも“そう言うと思ってたから書き直さない”と突っぱねたらしい。ちなみに先述の友人とは、後にルームメイトとなった作曲家ジョン・カンダー(「キャバレー」や「シカゴ」があります)です。

そんなこんなでゴールドマンはこの映画を見ていないそうですが、“チューズデイ・ウエルドは好きだ”と発言しています。いわゆるダム・ブロンド(金髪のおバカ)で兵隊さんにあこがれる女子学生役ですから、僕はチューチュー(これが愛称)には向かないと思うけど。

ゴールドマンいわく、マックイーンが演じたこの軍曹は“悪役”なんだそうです。でも軍隊にはそういう人間が結構いて、そいつらが幅を利かしている。だからMP(この映画ではエド・ネルソン)が目の敵にしているわけですね。その親玉役のジャッキー・グリーソンが、曹長のくせに中尉ですら手に入らないエアコンを自室に置いている。このあたりの実情が的確に描かれていたら、もっと面白い映画になったでしょう。

スティーブ・マックイーンはこんな映画に、「大脱走」のあとなぜ出たのかと考えて見ると、まず「大脱走」公開前に話を決めていたというのが実情でしょう。「突撃隊」「戦う翼」と、マックイーン本来のキャラクターは演じていたから、幅広い演技ができることを見せたくてコミカルな役を選んでいたのだと思います。そしてもう一つ、主役がジャッキー・クリーソンで、この人は「ハスラー」でポール・ニューマンの相手役をして主役を食っていた人です。「傷だらけの栄光」でチョイ役だったマックイーンには、相手役にふさわしい俳優だったのではないか、僕はそう考えています。

写真2がチューズデイ・ウエルド。彼女は「シンシナティ・キッド」でもマックイーンと共演します。スナップ写真なので、映画の中とは逆にチューチューが仕切っている感じなのがいい。写真3で女装しているのは、後に「マイ・ホディガード」から監督に転向するトニー・ビル。
6 7

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2015年12月>
  12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031