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2015年09月08日22:29

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魂の書

へヴィ・メタル界の重鎮アイアン・メイデンの新作『The Book Of Souls(魂の書)』を聴いた。
16枚目のオリジナル・アルバム。初の2枚組、11曲の収録で、92分ほどの大作。時間の割に曲数が少ないのは長尺曲が含まれているということ。最長で18分の曲がある。メイデン史上最長か?
老舗ブランドの看板を貶めない重厚な作品である。

血気盛んな若者ではない。自ら創り上げたアイアン・メイデン・サウンドを熟成させていくのが当然の行き方であろう。
そのことを否定するつもりはない。
ここで聴けるのは明らかにアイアン・メイデン・サウンドであり、その世界観だ。
しかし、大傑作かと問われると、そうとは言えないような気がする。優れた作品ではあるが、80年代の傑作群と比べるのは酷だろうか。
もっとも今でも定期的にアルバムをリリースしてくれて、安定のサウンドを聴かせてくれること自体を喜ぶべきであろう。

とりあえず三周聴いたのだが、また時間を置いて聴くと印象が変わるかもしれない。
噛めば噛むほど味が出るスルメのようなアルバムのような気がしないでもない。

ちょっと気になるのはニコ・マクブレインのドラミングが少々おとなしいかなというところだ。ずいぶん手数が減ったという印象だ。おそらく意識的にそう叩いているのだろうが、私はそこに引っ掛かりを感じてしまう。

ちなみにブルース・ディキンソンの喉の調子は良いようだ。

何はともあれ、アイアン・メイデン健在を示した好盤である。
長尺曲が多いのが気になる人もいるかもしれないが、もともと彼らには長尺曲が少なくないし、一気に聴かせるだけの巧みさもある。

実際のところアイアン・メイデンはメタルなのかと思うことも多い。
そんなことを言うとメタラーからお叱りを受けそうだが、自分はプログレのような文脈で聴いていることも少なくないようにも思う。
70年代末、ニュー・ウェイヴ・オブ・ブリティッシュ・ヘヴィ・メタルというムーヴメントが巻き起こり、時代の寵児のように捉えられ、かつ彼らもメタル界を牽引していったわけだが、彼らの音楽性は実は多岐に渡っていて、メタルの一言では片付けられないように思うのだ。
リーダーであるベーシストのスティーヴ・ハリスのプログレ好きは有名な話だし、ブルース・ディキンソンは影響を受けたヴォーカリストとしてピーター・ハミルの名前も挙げている。
時代的にはメタル黎明期、それまでのプログレやハード・ロックの要素をダイレクトに受け入れて築き上げたのがアイアン・メイデンの世界だったように思う。それは同じムーヴメントからブレイクした同僚ともいえるデフ・レパードやサクソンとは明らかに違うものである。
私が彼らを抵抗なく受け入れられたのはそうしたところにあったのではないかと思う。

なんにせよ聴き応えのあるアルバムであることは確かだ。
三回くらい聴いただけで語ろうとするのはいささか乱暴なのかもしれない。

さて、今週末はいよいよスレイヤーの新作がリリースされる。
多くのスレイヤー・スタンダードを生み出したジェフ・ハンネマンを亡くして楽曲的にどうなったのか、非常に興味があるとともに心配もしている。評判は悪くないようだが、やはり自分で聴いてみないとね。

ではアイアン・メイデンの最新アルバム『The Book Of Souls』より『Speed Of Light』をどうぞ。
 


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