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2015年06月20日23:16

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幻想耽美@Bunkamuraギャラリー

Bukamuraのギャラリーで「幻想耽美展」が開かれている。
昨年刊行された「幻想耽美」という本で取り上げられた作家36人の作品を集めた世にもアヤシイ展覧会である。まあ、表に出せる作品ばかりではあるが、それは場所柄仕方あるまい。
なんにしても意欲的な企画である。
http://www.bunkamura.co.jp/gallery/exhibition/150617genso.html

耽美、つまり美に耽るということだが、明確に定義づけするのは難しい。
そもそも美というもの自体が曖昧なものだからだ。
なのでこういう企画は「美とは何か」というものを投げかけるものであることが多い。鑑賞者それぞれが自分なりの美を見つけてほしいということなのだろうと思うことにする。

たとえば、耽美という言葉がいちばん似合うのはクリムトの絵画ではないかと思う。
音楽であればシェーンベルクの『浄夜』だろうか。文学ならオスカー・ワイルドの『ドリアン・グレイの肖像』なんてどうだろう。
私の中では耽美と世紀末というのが密接に結びついているようだ。

なので現代における耽美とはそうしたイメージとはまた違ったものなのだろうと思うのだ。
グロテスクなものが多いのは時代を反映しているのかもしれない。グロテスクと耽美あるいは幻想とは同意ではないけれど、そうかけ離れたものでもないようだ。
醜いもの恐ろしいものに美を見出せるか、それは19世紀末からずっと続くテーマなのかもしれない。

さて、この展覧会、少女主義的水彩画家たま女史も出展している。
どんな企画展の中に入っても個性的な存在感を放っているのはさすがだ。錚々たる作家陣の中に入っても堂々と自己主張をしている。今回は小ぶりの新作が2点。初日に嫁入りが決まったのだそうだ。さすが人気作家である。
今さらながら凄い作家と出会ってしまったものだと思う。

もちろん展覧会全体が見応えのある充実したものだった。
ある意味でアンダーグラウンドなものが多いのだが、やはり自己と対峙した結果の作品というものが多いような気がする。つまり表現すること自体が性(さが)でもあり業でもあるという人が多いのではないだろうか。好き嫌いにかかわらずその作品は心を動かし神経を刺激する。
その反面、耽美のための耽美、幻想のための幻想、といったものもなくはない。
玉石混交なのはこうした展覧会では当然のことであり、どれが玉でどれが石かは観た人それぞれが決めればいいことであろう。
土曜の昼間ということもあったにせよ、かなりの盛況ぶりだった。

先月のヴァニラ画廊での企画展に続き、たまさんがいらしていた。
個展とは違ってずいぶん長くお話をすることができた。個展だと当然ながらたまさん目的で来る人ばかりだから人が絶えない。こういう企画展では客のお目当ては分散する。「Artist」というカードを首からかけていてもモデルのような美女が作家であることに気付かない人も多いのではなかろうか。

「幻想耽美」の本ではわりとグロ系の作品が掲載されているのだが、その中で『Hopeless mermaid』という作品が異彩を放っている。もしかしたら幻想耽美という言葉をストレートに捉えるならいちばん相応しい作品かもしれないと思う。
そう、うちにいる人魚さんである。
anan掲載のときもそうだったが、今回も編集者が選んだのだそうだ。人気なのである。
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