昨日のリサイタルは世界で活躍するソプラノが評判通りの美声を響かせるとても良いものだった。
演奏中若干騒がしくはあったが、拍手のタイミングもやや早めではあったが、特にどうこう言うほどのことはなかったように思う。
曲中での「ブラーヴァ」を除いては。
後半最初の曲『鐘の歌』でそれは起こった。中盤あたり、確かに曲が終わったように感じられなくもないところ、男性の「ブラーヴァ」という声が掛かったのだ。
ホール内に一瞬緊張が走るのと同時にピアノが鳴り出す。そうだよね終わりじゃないよね、というなんとも言えない空気。
昨夜の中でも特に素晴らしい歌唱だっただけに非常に腹立たしい。
ホール後方からだったので誰かはわからない。仮に曲の終わりだったとしてもタイミングとしてはいささか早い。いわゆるフライング・ブラボーになっていただろう。
本人がいくら恥ずかしい思いをしようが知ったことではないが、500人ほどの人の興が殺がれたであろうことはきっちりと肝に銘じておいてもらいたい。まあ、無理だろうが。
たとえば、演奏中にガソゴソ音を立てる人、これも迷惑なのだが、彼らに悪意はない。ただ無神経なだけである。しかし、フライング・ブラボーをやる人間には悪意がある。他人が余韻に浸る邪魔をすることなどこれっぽっちも気にしていない。
目立ちたいのか、曲を熟知していることをひけらかしたいのか、クラシック通ぶりたいのか、そのあたりの心理は理解の範疇を超えている。まあ、本当に音楽を愛する人たちはそんなことはしない。少なくとも私の知り合いでは一人もいない。
そういう意図がないにしても、全体的に拍手のタイミングは早いように思う。
終わったなと思ってからひとつ息を吐いて拍手を始めてちょうどいいくらいではないだろうか。少し遅いくらいでいいのである。
クラシックに限らないが、知ったかぶりはすぐにバレる。
自己顕示欲の強いオトナは嫌われるよ。
ただでさえクラオタは鬱陶しいのだから。
選民意識が強いぶんドルオタやアニオタよりもタチが悪いような気がする。
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