昨日の雨から一夜明けるといい天気。
3月になって一気に春めいてくるのだろうか。
さて、Kalafinaの武道館ライヴ2daysも無事に終わった。
Kalafinaは女性三人のヴォーカル・ユニット。
もともとはプロデュース及び全曲の作詞作曲を手掛ける梶浦由記女史が仕掛け人となって、アニメ映画『空(から)の境界』の音楽のためのプロジェクトとして発足した。この当時はまだメンバーが固定されていなかったようで、ライヴ活動も想定されていなかった。
やがてメンバーが現在の三人に固定され、他のアニメとのタイアップも増え、ライヴ活動を行なうようになり現在に至る。
シングル多数、スタジオ・アルバムを4枚、2枚組ライヴ・アルバム、ベスト・アルバム2枚、映像作品を3枚リリースしている。
くどいようだが、NHKの「歴史秘話ヒストリア」のオープニングとエンディングに起用されている。
その当時Kalafinaという名前は知らなかったが、『空の境界』というアニメのことは知っていた。
その音楽にアンサンブル・プラネタのリーダー戸丸華江ちゃんがコーラスで参加しているということがきっかけだった。
それで興味を持って原作を読んだ。重層的な構成の伝奇小説で、とてもおもしろかった。アニメ版も見てみたかったのだが、全部で劇場版7作となるとハードルが高かった。
そのとき見ていればもっと早くKalafinaを知ることができただろうと思うと悔いが残る。
4枚目のアルバムが出たときにたまたま知った。試聴してみたら良さそうだったのでCDをゲットした。そのときにコーラスで華江ちゃんが参加していることを知った。そして過去のアルバムをゲットして、フルーティスト赤木りえさんの名前を発見して驚いた。そういえば、プロデューサーの梶浦さんとはお友だちだったっけと思い出した。
Kalafinaとは出会うべくして出会ったのだ。そのとき出会っていなかったとしても、おそらくいずれはりえさんを通じて出会っていたことだろう。
鼻にかかったようでクリアーなハイトーンを誇るWakana、チャーミングな高音を持ちながら野性味たっぷりのHikaru、しっかりとボトムを支えつつソロも取れる魅惑的な低音ヴォイスのKeiko。
それぞれ個性的でありながら、美しいハーモニーを聴かせる。
WakanaとHikaruの高音二枚も強力だし、それを支えるKeikoも素晴らしい。ことにこれだけ低音のしっかり出せる歌手は日本では珍しいだろう。それぞれのソロやハーモニーの役割が目まぐるしく変わるので色彩感も豊かである。
曲調はひとことで言えばシンフォニック・ロックだろうか。抒情的で劇的。
女性のヴォーカル・ユニットというのは古今たくさんあるが、こういう音楽性のユニットはなかったのではないかと思う。
ライヴのチケットはすでに取りにくくなっている。
武道館2daysで約2万を集めたそうだ。おそらくもっと大きな会場でも満杯にできるだろう。
今回の武道館は到達点でもあり、新たな出発点でもある。二日間のKalafinaを見てそう思った。
二日間で44曲。うちインストが2曲。かぶった曲は2曲のみ。
緻密に計算された楽曲をこれだけたくさん再現させるのはどれほど大変なことか。
バンドの演奏にも穴がない。
固定メンバーであるがゆえの安定感、押しも引きもわきまえた見事な演奏を見せるこのバンドのファンも多いに違いない。しかもお馴染み今野均さんをリーダーとするストリングス(vn4,va2,vc2)を配することで音に厚みと繊細さが加わった。
さらに今回は魔法のフルートと呼ばれるラテン・ジャズ界の第一人者である赤木りえさんが両日参加、アコーディオンの名手佐藤芳明さんが二日目に参加という豪華布陣となった。
まさにKalafinaライヴの集大成とも言える内容だったと思う。
それでもほかにも聴きたかった曲がいくつもあるのだから、Klafinaのレパートリーは名曲揃いなのだろう。
では、いくつかの曲の感想をチラホラと、、、
【1日目、Red Day】
『ARIA』、Red収録。
初期の曲で、オリジナルは現行三人体制ではなかったと思われる。なので一度ライヴを観てみたかった。
Hikaruの絶唱が一際印象的。
『moonfesta』、Red収録
りえさんのフルートを得てよりチャーミングに仕上がっていた。Kalafinaの曲の中で最も可愛らしいものだろう。振付も新しくなっていたか。
『光の旋律』、Red収録
フルートが大々的にフィーチャーされた人気曲。オリジナルのフルートは井上信平氏。
一昨年の国際フォーラムでもアンコールでサプライズ・ゲストのりえさんが参加して大絶賛だった。イマジナティヴなフルート・ソロが素晴らしい。
『Kyrie』、ベスト未収録
何故これがベストに未収録? と思ってしまう劇的な名曲。今回は聴けないかもと思っていたのだが、やはりベスト・ライヴでこれは外せなかったか。Wakanaがソロを取るサビの部分は一種のカタルシス。
『アレルヤ』、Red収録
ほぼ全曲に渡ってKeikoをフィーチャーした曲で、彼女がいかに優れたシンガーであるかがよくわかる。ボディのしっかりしたアルト・ヴォイスは本当に魅力的だ。Kalafinaは誰が欠けても成立しないのだが、もしかしたら核はKeikoなのかもしれないとも思う。
【2日目、Blue Day】
『storia』、Blue収録
お馴染み「歴史秘話ヒストリア」のオープニング。Kalafinaの名刺代わりの曲とも言える。やはりりえさんのフルートを得てさらに素晴らしい出来になっていた。
『夏の林檎』、Blue収録
私にはダフニスとクロエの物語が思い浮かんできてしまう。
神話的なのだけれど牧歌的な世界。しっとり聴かせるWakanaが良い。りえさんのフルートが神話的世界を演出。
『君の銀の庭』、Blue収録
たぬ〜の好きな曲で、これも可愛らしい曲。劇的で壮大な曲からこのような可愛らしい曲まで、Kalafinaの曲は振幅が大きい。三人のチャーミングな歌唱も聴きものだ。アコーディオンがさらに彩りを添えていた。
『to the beginning』、Blue収録
Kalafina史上一二を争う名曲だろう。決然としたKeikoのソロで始まり、劇的に展開していく。終盤のWakanaがピアノをバックにソロを取る場面の緊張感漲る静謐さが胸を打つ。
『heavenly blue』、Blue収録
ベスト盤での新曲。あまり聴き込んでいなかったのだが、これも劇的でいい曲だ。
『red moon』、Blue収録
redなのに何故Blueに収録? というのはさておき、これもまたドラマティックな楽曲。ミドル・テンポでじっくり歌い上げていく。Kalafinaの表現力の高さがよくわかる。
『far on the water』、新曲
「歴史秘話ヒストリア」の4月からのエンディング。なるほどエンディングに使われる場面が浮かんでくるような曲構成。
というわけで思いつくままに書いてきたが、実際はどの曲もクライマックスだった。
最初から最後までハイテンションで突っ走りとおした。
緩めるのは唯一MCのときのみ…。
天真爛漫なHikaru、天然なWakana、しっかり者で苦労が絶えないKeikoという図式が出来上がっていて、これがなかなか味がある。ことに歌っているときには気高さを感じさせるWakanaがMCだとぐだぐだになるギャップが可笑しい。
Kalafinaのライヴは静かである。もちろん盛り上がるときは盛り上がるのだが、そうでないときは静かである。みんなしっかりと音楽を聴き、その様子を目に焼き付けているのだろう。クラシックのコンサートよりも静かだと思うこともある。
拍手のタイミングも絶妙で、早すぎるということがない。そういう点でもKalafinaのライヴは気持ちがいい。
そういえば、昨日の開演前にこんなことがあった。
私の隣の席の兄ちゃん二人組が来たとき、一人がキツネのしっぽを付けているのに気付いた。
キツネといえばBABYMETAL。新春キツネ祭りのグッズなのだ。うちもつい買ってしまっていた。なのでつい話しかけてしまった。
「キツネのしっぽ、ですよね」
「はい」
「キツネ祭り、行かれましたか」
「はい、行きました。ベビメタ好きですか?」
「はい」
「うわあ、ここでベビメタ・ファンに会うなんて!」
「ベビメタとKalafinaじゃかぶりませんからね」
という会話をしてしまったよ。
確かにKalafinaとBABYMETALではかぶらないように思ったが、唯一無二であること、音楽がしっかりしていること、メンバーそれぞれが個性的な魅力があること、ライヴでこそ栄えること、全力のパフォーマンスであること、バンドの演奏力が高度なこと、そういった点で意外に共通する部分が多い。
もしかしたらほかにもキツネ様の目を盗んで武道館に来ていた人もいたのかもしれない。
まあ、なにはともあれ、宴は終わってしまった。
いまだ余韻は醒めず、今日は行き帰りにKalafinaを聴いていた。
10月10日(土)、11日(日)の国際フォーラムAを皮切りにツアーを行なうという。
三連休の最初の二日か、これは両日行くしかないか。
ファンクラブ入っちゃおうかなあ。。。
ツアーの前に今回の映像作品がリリースされることを期待したい。
夏ごろかなあ。
では、公式MVから『輝く空の静寂(しじま)には』。
前半はWakana、後半はHikaruがソロを取り、Keikoがハーモニーを付ける。
フルートは赤木りえさん。
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