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2014年12月05日23:00

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スキャンダランタン、なんだそれ?

今日は今週リリースされた2枚の新譜を紹介したい。

まず最初は日本を代表するギャルバンと言ってもいいほどの活躍を見せるSCANDALの6枚目のアルバム『HELLO WORLD』。
制服姿でデビューしたSCANDALのアルバムももう6枚になる。その間にベスト盤やB面集やカバー集もリリースしている。
今回サウンド面ではソリッドさが戻ってきているようだ。ポップでキャッチーな中にもガレージ・ロックっぽい荒々しさが垣間見える。キーボードやストリングも抑えられ、バンド・サウンドを強調しているように思える。
HARUNA(vo,g)、MAMI(g,vo)、TOMOMI(b,vo)、RINA(ds,vo)の4人は結成以来変わらない。
前作からその兆候はあったのだが、MAMIがソングライターとしての才能を開花させた感があり、先行シングルやいくつかの印象的な曲を提供している。
相変わらずTOMOMIはブンブン唸るベースを弾くし、RINAのドラミングも素晴らしい。この充実したリズム隊がSCANDALサウンドのキモである。
メイン・ヴォーカルはHARUNAで、TOMOMIが加わりツイン・ヴォーカルにもなる、というのがSCANDALの基本。TOMOMIやMAMI単独の曲もある。今回はさらにRINAがリード・ヴォーカルを披露する曲がある。もともと4人とも歌えるのだがドラマーということもあるのだろう、SCANDAL名義としての単独曲はなかったように思う。これはRINAファンには嬉しいプレゼントだろう。
今作の話題は有名プロデューサーを招いているということにあるようだ。その中に小室哲哉がいる。私は彼のことをほとんど買っていないので心配していたのだが、それは杞憂だったようだ。曲も音作りもSCANDALの個性を殺さない作りになっている。知らなければ彼の関与には気づかない。フィーチャーされているピアノは彼が弾いているのだろうが、出しゃばらずにサポートに徹しているようだ。身から出た錆とはいえ彼もいろいろ苦労をして考えるところがあったのだろうか。
まあ、過去作より飛び抜けて出来がいいということもないが、もはや老舗料理店の安定の味とすら言えるものだと思う。その中でいろいろ冒険もしているので、マンネリを感じさせることもない。
ライヴを中心に実力を磨いてきたバンドなので底力があるのだ。
最近はドラムに対する女子の人気が高いらしい。非常に喜ばしいことである。これにはRINAの影響もあるのではないかという気がする。RINAのようなチャーミングな女の子が髪を振り乱して激しいドラムを叩く。そのギャップは確かにカッコよく見えると思うのだ。

次にチャラン・ポ・ランタンのavex移籍後初のアルバムとなる『テアトル・テアトル』。
小春(アコーディオン)ともも(ヴォーカル)の姉妹ユニット。
サーカスっぽいブンチャカ・サウンドに昭和歌謡っぽい歌メロ、それに毒のある歌詞世界という非常にユニークな個性を放っている。たとえるならば、ヨーロッパの石畳の街から場末のキャバレーまで、といった何でもありのご機嫌な音楽である。
メジャー移籍ということで毒がなくなるのではないかとほんのちょっとだけ心配したが、やはりそれは無用だった。毒が薄まったのではなく、世界観が広くなったということで、音楽の懐がさらに深くなったという印象だ。
バックを務めるカンカンバルカンと崩壊バンドも絶好調で、この超絶技巧サウンドを聴くのも楽しみのひとつになっている。
『さよなら遊園地』、『私の宇宙』、『NANDE-NANDE』などすでにライヴでお馴染みの曲が収録されているのは嬉しい。メジャーデビューとなった『忘れかけてた物語』も違和感なく収まっている。整形を繰り返す女を歌った『美しさと若さ』は相変わらずの毒たっぷり。盛り上がり必至のアラブ民謡『ムスタファ』はノリノリの再録音。『愛の讃歌』のカバーはこの姉妹&カンカンバルカンがタダモノではないことを示す。
とにかくオープニングの『71億ピースのパズルゲーム』からエンディングの『季節は廻る』まで捨て曲なしで一気に聴かせる。敢えて言うなら全ての曲がクライマックスである。
チャラン・ポ・ランタン&カンカンバルカン(あるいは崩壊バンド)は全員が超絶技巧の持ち主。そしてギャルバンでもあり、アコースティック・バンドでもある。カンカンバルカンの編成はtp, ss, ts, b, dsで、崩壊バンドの編成はvn, ss, b, dsとなっている。ss, b, dsは同じメンバー。
さて、そんな優れたアルバムだが、敢えて注文を付けるなら、ボーナス扱いで『ぎんなん楽団カルテット』を収録してほしかったと思う。俳優の高橋克実と共演しNHKみんなの歌で放送された曲は、小春のオリジナルではないけれど、とっても楽しい曲なのだ。

というわけで、2枚とも聴き応えのあるアルバムである。
SCANDALはすでに確たる地位を築いているが、チャラン・ポ・ランタンもこれでブレイクしてくれると嬉しいのだが。
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