mixiユーザー(id:2615005)

2014年06月15日18:54

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神学SFですと

神学というのが、よくわからない。ありもしないものを探求するて、どんな学問なんだ。学問と呼べるのか。単なる迷信とどこが違うのか。

・悪魔の星 作:ジェイムズ・ブリッシュ
58年度の作。惑星リチアに住む進化した爬虫類は、神という概念を持たない。それでいて犯罪も悪徳もない理性的な社会を構築している。地球から来た神父で生物学者でもあるルイス・サンチェスは、信仰を持たない種族が良心を持っているという事実に葛藤する。

ルイスがなぜ悩むのかが分からない。キリスト教はアラビア半島起源のローカル迷信だ。そんなものを他の世界に適用すること自体が間違っている。
と考えるのは、私が一神教に馴染みのない日本人だからか。中村融氏の解説によると、天文学の発達によって、地球が宇宙の中心ではなく単なる惑星のひとつに過ぎないことが判明したとき、教会はこの事実と折り合いをつけるため大変な苦悩をしたらしい。もし火星人や金星人がいたら、彼らも神の子なのか?神以外の者が世界を作ることは有りうるのか?SFパロディの話ではない。真面目な議論だったのだ。

昔からの伝承と最新の発見が矛盾する場合は、古いほうが間違っていたと考えるのが普通だと思うが。それを認めると自分たちの存在意義がなくなってしまうからなあ。
ある種の地球人は、「どう考えても唯一絶対神なんかいない」という大量の証拠を前にしても、二千年前の迷信を捨てきれない。異星の知的生物から見れば矛盾に満ちた滑稽な存在に見えることだろう。
半世紀以上前の作品なのでさすがに古いが、逆に時代の雰囲気を証言する資料として興味深い。テーマは異なるが、ホーガン『断絶への航海』やソウヤー『ネアンデルタール・パララックス』などと読み比べると、隔世の感がある。
前半のリチア星のイメージが鮮やかで魅力的だ。中盤以降は、やや退屈だ。★★★
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