大きな夢をかなえたときというのはどんな気持ちなのだろうか。
挫折ばかりの自分の歴史の中で大きな夢がかなったことなどない。
いや、大きな夢などかなえられる人の方がむしろ少ないのだ。
そう思うと彼女たちの晴れがましい表情はとても清々しい。
SCANDALの新しい映像作品『Wonderful Tonight』を見た。
デビュー前からそのステージに立つことを目標としてきた大阪城ホール。そこでの特別なライヴを完全収録した作品である。
ガールズバンドとしてはデビュー以来最速の武道館ライヴを行なったことで話題になったが、彼女たちにとっては武道館さえも到達点ではなく通過点だった。関西出身の彼女たちが目標としていたのは飽くまでも大阪城ホールだったのだ。
地元凱旋、そんな意味合いもあったのだろう。
ベースのTOMOMIは始まったときからすでに目を潤ませていたようだ。
彼女たちが凄いのは生粋のライヴ・バンドであることだ。
演奏が上手いのだ。ことにドラマーのRINAは抜群に上手い。
カワイコちゃん四人組などと侮ってはいけない。たとえドラマーのRINAがアイドル顔負けだったとしても。
新旧のレパートリーをずらりと並べたプログラムは壮観。
しかし、シングル・コレクションにならなかったのがさすが。ヒットしたシングル曲も敢えて外されている。それが今の彼女たちの主張なのだろう。
TOMOMIはかなりゴツゴツしたベースを弾くし、RINAは手数が多いうえに24インチのバスドラがド迫力だ。
この強力なリズム・セクションがSCANDALサウンドのキモである。
彼女たちはロック・サウンドというものをよくわかっている。
そして彼女たちはどんどん上手くなっている。
大阪城ホールは目標ではあったろうが、おそらく数年後には、あれすらも通過点に過ぎなかった、と言われるのだろう。
夢をかなえた後も彼女たちは止まろうとしない。
SCANDALファンの女の子は多いようだ。
私の知り合いの高校生や小学生もSCANDALファンである。
あの子たちにとってはカッコいいおねえさんたちに見えるのだろう。
そういう子たちの憧れであり続けて欲しいと思う。
音楽でガチで勝負。
彼女たちは潔い。
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