真梨幸子を読むのが一段落ついたので、沼田まほかるの『九月が永遠に続けば』を読んだ。
ぐいぐい読ませる展開はさすがだ。
ちなみに、デビュー作なのだそうだ。だとすると、文章力はかなり高い。
しかし、これは伏線張りまくりのミステリーとはちょっと違う。
思わせぶりな表現が実際は単に思わせぶりだったりするのは拍子抜けだし、最終的に全ての謎が綺麗に片付くわけでもない。
よって作者の罠に引っかからぬよう注意しながら、張り巡らされた伏線を寄せ集めて謎に近づこうというアプローチは有効ではない。作者の筆の運びに乗ってストーリーの展開を楽しむべきものだという気がする。
もちろん、こういうのがあってもいいと思う。
そうなると主人公を含めた登場人物に対して感情移入できるかどうか、ということがポイントになる。そういう点では今回の主人公は私としてはちょっと厳しかったように思う。
高レベルの作品だということは否定しないが、ちょっと評判高すぎかなあという気がしないでもない。
ま、勝手な感想だが…。
イヤミスではあるが、イヤ〜な感じの方向性が異なる。
そのイヤさ加減がどこか現実離れしている感が拭えない。
真梨幸子の「あるよな、そういうこと」というイヤな感じとはちょっと雰囲気が異なる。
好みの問題なのだろう。
イヤさ加減が突き抜けていないぶん、もやもやが残る。イヤさ具合では今年の新作『ユリゴコロ』の方がかっ飛んでいる。
沼田まほかるはストーリーテラーなのかもしれない。
ただ、ちょっと消化不良という感は否めない。
私個人としては、だが。
やはりミステリーの結末は余りなしで割り切れて欲しいと思うのである。
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