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2010年11月25日12:11

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【バレエ】韓国ユニバーサル・バレエ「沈清」(東京公演)

4年振りの来日公演、楽しんできました。(^^)

物語や前回2006年の様子は、こんなかんじ。
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=210357991&owner_id=3210641
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前回のプログラムは有料でしたが、
今回はページ数こそ半減したものの、タダで配っていました。(^^)
フルカラーで、ダンサーの紹介もある、ちゃんとしたものなんですよ。

でも、前回は会場に張り出されていた配役表がありません。
とりあえず主要キャストだけスタッフに聞いてきましたが、
気になるダンサーも何人か見かけたので、
次回からはぜひ、詳しい配役表も用意してほしい。

       *     *     *

今回の公演に先立って、韓国の民話集を買ってみました。
すると、「沈清」(シムチョン)の物語って、短いんですね。
たとえば、2幕の竜宮城場面、ないんですよ。(^^;)
民話とは本来そういうものですから、
語り継がれていくうちに肉付けされていったのでしょう。

ちなみにシムチョンの職業ですが、あらすじでは、
物乞いをして生計を支えていたことになっていますが、
物語によると、大きくなってからは、
お金持ちの家のメイドとして働いていたようです。

また「米300石」は、バレエでは、お父さんから話を聞いた僧侶が、
お寺に米300石を寄進すれば治るよ、と持ちかけるだけですが、
物語では、お父さんが助けてもらった御恩返しをしたいと言うと、
では、仏さまにお米を300石供えなさい、そうすれば目も治るよ、と僧侶がこたえ、
それを聞いたお父さん、勢いで「お供えします!」と約束してしまい、
あとで後悔する、というパターン。(^^;)

そしてシムチョンと帝の出会いは、
まず漁師が海に浮かぶ蓮の花を発見し、
これは珍しい! と帝に献上したところ、
中に彼女が入っていた、という次第。(^o^)

あ、そうだ。「シムチョン」は一語ではなく、
シム(沈)が苗字で、チョン(清)は名前なのだとか。
というわけで、お父さんはシム・ボンサさん。


さて、舞台の様子ですが、
主役シム・チョンは、前回と同じファン・ヘミンさん。

彼女はバレエ団の学校を卒業後、韓国芸術総合学校の舞踏院に進み、
2002年に卒業、同年ユニバーサル・バレエにソリストとして入団しています。
プリンシパルへの昇格は2004年。

4年の間に、彼女はしっかりと成長していました。(^^)
前回公演では、まだ存在感に乏しく、群舞に埋もれたりもしましたが、
今回は堂々たるプリンシパルの風格を備えていました。

とても綺麗な動きをするダンサーで、
柔らかな手足の使い方は、音楽に乗って流れていくようです。
ただ、あいかわらず体躯がとても細く、高速で回転すると、
筋力が足りず遠心力に負けそうになることも。(^^;)

たおやかな雰囲気の方なので、お父さんとの別れの場面や、
船上であらくれにからかわれる場面は、本当に可哀想です。(uu;)
表現力も相応にあるので、ジゼルやジュリエットも観てみたい。

ストーリーの展開上、物語を通しての男性主役がいないため、
(強いて言うならお父さん?(^^;))
1幕では彼女を買った船長、2幕では彼女にひと目ぼれした龍王子、
3幕の帝が、それぞれ彼女のパートナーを務めます。

船長は、NBAのゲストとして日本でも馴染みのあるイ・ヒョンジュンさん。
キレと迫力を兼ね備え、身長もあってイケメンという、
文句を付けようのないダンサーです。(^o^)
龍王子のチョン・ウィさん、帝のオム・ジェヨンさんも良い踊り手でしたが、
彼がいちばん印象に残りました。

印象的といえば、ここの男性陣。
全員とはいいませんが、みな体躯が良く、
それを生かした力強い踊りは迫力満点で、
1幕2場の船上シーンでは、その群舞を堪能できます。(^^)

彼らの長所として、もうひとつ特筆したいのが丁寧なサポート。
振付に女性のリフトが多用されているのですが、上げ下げ・横移動が実に優しく、
女性ダンサーの滑らかな手足の動きと相まって、とても綺麗にみえるのです。
群舞としての揃い具合も進歩しており、この充実した男性陣は、
Kでも太刀打ちできるかどうか。(^^;)

見応えある男性陣と比べると、女性陣は微妙でした。(^^;)
まずソリストの力量が、前回同様、いまひとつ物足りないのです。
公演数が少ないのですから(今回はわずか4公演)、
出し惜しみせずにプリンシパルを充てれば、
もっと見応えのある舞台になったことでしょう。

群舞は前回よりも良くなっていました。
ここも身長や容姿を重視した人選のようで、
個々人の力量を勘案した総合力ではKや小林の方が上ですが、
大きな踊りをする人の比率は新国よりも高いので、
観ている時のわくわく感は新国よりこちらの方があります。

また3幕の宮廷シーンでは、お后候補や宮廷付き女官たちの、
韓国テイストの衣裳と振付がとても綺麗。(^^)
それに比べると、2幕の魚たちの衣裳は、
もし私がダンサーだったら着たくないなぁ。(^^;)

3幕に登場するお父さん、
黒かった髭がちゃんと灰色になっており、時の経過を表していました。
配役は前回と同じ人だと思うのですが、演技が少し淡泊になったかも。
日本の観客に合わせてアレンジしたのでしょうか。(^o^)

「ジゼル」ほどではありませんが、3幕は男性群舞の頭数が減るので、
客席後方の拍手が賑やかになります。
お父さんの眼が治る場面では、やんやの大拍手!(^O^)

       *     *     *

冷たい風を心地よく感じながら家路につくと、
頭の中に劇中の曲が次々と蘇ります。
耳に馴染む音楽も、この作品の長所でしょう。(^^)
前回も思ったのですが、世界に誇れる作品を、
身近に持つ韓国のバレエ・ファンが実に羨ましい。(^^)

けれど日本のバレエ・ファンの間では、ほとんど話題になりません。
公演数も、前回2006年は全国で11公演でしたが、
今回は4年振りにもかかわらず、わずか4公演。

宣伝が足りない、不況のため観る側も公演数を絞っている、
西洋かぶれファンはハナから相手にしていない、
アジアのバレエ・ダンサーに免疫がありそうな日本のバレエ団ファンは、
自分の応援する団以外には興味がない...
と、いろいろ理由は考えられますが、(^^;)
観ないでおくにはもったいない、良い舞台です。

というわけで、途中マッコルリを購入し、
彼ら彼女らに乾杯しつつ、寝酒としていただきました。(*^^*)
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